投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 02 日 20:01:34:
ソニー<6758>の4〜6月期連結決算は税引き前で143億円の赤字に転落した。
5000円台まで急落し、機関投資家から個人までが行方を注意深く見守るソニー株。
市場では「株価下落の原因はIT事業の不振ではなく、株価をかさ上げしていた成長イメージというゲタが脱げただけ」(市場筋)と、ソニー株固有の事情を指摘する声も出ている。
●最後の高度成長期銘柄
ソニーは戦後日本の奇跡的な高度経済成長を象徴する企業だ。焼け跡の工場から出発し、独創的な商品で大量消費時代をリード。海外でも知名度抜群の超優良企業にのし上がった。しかし、経済の右肩上がりは過去の語り草になっても、なぜかソニーだけ高い株価を維持してきた。「自分たちの作ったものは売れるというあまり根拠の無い信念めいたものがソニーにはある」。ソニーのライバル社首脳がこう漏らすほど、ソニーと成長イメージは切り離せない。
だからこそ「ソニーだけは別格だと会社も投資家も錯覚していたのではないか」(兜町担当記者)。
●中高年層に人気
実際の株主分布は分からないが、ある証券会社の支店長経験者は「30歳代後半から上の顧客で、営業マンが勧めもしないのにソニーをナンピン買いし、大損を抱え込むケースが多かった」と打ち明ける。これとは対照的に「資金の制約かも知れないが、若い投資家はソニーにさほど興味を持たない」という。高度成長期を知っている、ある程度高年齢層に受ける銘柄というわけか。
●総合経営に危うさも
ビジネス誌がお手本のように持ち上げるソニーの経営形態だが、証券関係者の評価は必ずしも高くない。パソコンやゲーム機、映画、音楽、保険、さらに乾電池などこれほど事業領域の広い企業も珍しい。が、各分野の相乗効果は高いとは言えず、ダメ経営の典型とされる「経営資源を集中できない総合メーカー」の色合いさえ感じられる。事実、ソニーが圧倒的な業界ナンバー1の地位を占めるのはゲーム機くらいのものだ。半導体は世界的な需要減退に見舞われ映画、音楽、保険が安定して利益に貢献しているとは全くもって言い難い。
●動けぬ機関投資家
株価回復には年金など機関投資家の買いが不可欠。しかし、誰の目にも値崩れが鮮明になってから売りを出し、株安を後押ししたのは機関投資家だ。見切り売りした直後に、思い直して同じ銘柄を買い直すことは「顧客への説明責任を果たせない」(国内運用会社)という。機関投資家の買い出動が望めないようなら、株価の戻りは鈍いものにならざるを得ない。
○URL
・ソニー
http://www.sony.co.jp/
[半沢昭悟 2001/08/02 11:37]