投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 07 日 10:20:17:
4−6月期GDPは事前予想通りであり、数字自体に大きな違和感はない。ただ、日本経済の厳しさを裏付ける内容であることに間違いはなく、市場のテーマが日本の構造改革になっている中で、こうした実体経済の厳しさを反映した数字は、今後の構造改革進展を疑問視する見方につながりやすい。このため、数字自体は株や債券、通貨にとってもネガティブなものといえるだろう。
今後、編成される2001年度補正予算の規模に関しては、今回のGDPを受けて新規国債の発行枠である30兆円を撤回することにはならず、30兆円を目標とした補正予算の編成作業が、これから始まることになる。30兆円枠達成のためには、国債発行余力が1.7兆円、予備費と剰余金で5000億円に加え、歳出削減により、2〜3兆円の財源が確保できるが、税収が下振れした場合には、国債発行が30兆円を超えてくる展開はあり得る、と見ている。しかし、こうしたストーリーは、少なくとも債券市場では織り込まれてきている、と思う。
他方、前日に米ムーディーズが、日本国債の格付けを引き下げ方向で見直す、と発表したが、補正予算編成にかかわらず、実際の格下げは、ほぼ確定的だろう。ムーディーズの基本認識は、構造改革と景気回復の両立は難しい、ということであり、補正の有無や30兆円枠にかかわらず、格下げは行われることになるだろう。
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