投稿者 sanetomi 日時 2001 年 9 月 07 日 03:48:41:
大手行14行:中間期の配当見送りへ 株価下落が深刻化し
株価下落が深刻化していることから大手行14行すべてが01
年9月中間期の配当を見送る方向で検討に入ったことが6日、明
らかになった。来年3月期に通期で配当する方針だが、株価の水
準次第で銀行の経営は大きく揺さぶられる状況になっており、期
末の配当についても不透明な状況だ。
具体的には、すでに見送りを表明した大和銀行に続き、あさひ
銀行と中央三井信託銀行が中間配当を見送る方針を固めた。東京
三菱銀行と三菱信託銀行で構成される三菱東京フィナンシャルグ
ループと三和、東海、東洋信託で構成するUFJホールディング
スは、経営統合して持ち株会社を設立した関係で、すでに期末配
当に一本化することを決めている。さらに、残りの大手行も追随する方向で検討に入った。
9月中間期からは、時価会計の導入に伴い、保有株式の含み損
の6割が自己資本の一部である剰余金から差し引かれる。最終利
益を積み上げて形成してきた剰余金は、株式の配当原資だが、これが枯渇すると、大手行が公的資金を受けた際に義務付けられた
優先株の配当が出来なくなる。中間期で配当しておきながら、通
期で無配に転落した場合には、経営責任が問われることになる。
外資系証券会社の試算では、日経平均株価が1万500円を切
ると、大手行の含み損が3兆円を超え、全行が含み損に転落す
る。「今後、株価がどこまで下がるか見当もつかないため、中間
期に配当するのはリスクが高すぎる」(大手行役員)との判断に
傾いている。
また、通期で無配になれば、来年6月の株主総会の段階で、公
的資金の注入に伴い国が保有する優先株に議決権が発生し、経営
に介入できるようになる。さらに経営が悪化すれば、国は優先株を普通株に転換可能となり、事実上の国有化銀行になるため、一
部の大手行にとっては厳しい状態が続くことになりそうだ。 【藤好陽太郎】
[毎日新聞9月7日] ( 2001-09-07-03:01 )
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