投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 06 日 21:27:17:
邦銀の不良債権問題で見解が対立している国際通貨基金(IMF)の金融審査について、柳沢伯夫金融担当相が受け入れを表明したのは、日本の金融システムに対する国際的な信認の回復を目指してのことだ。しかし、審査に対応できる金融庁の人員が不足しているため、審査に着手する時期や手法は今後の事務当局の調整に委ねられており、IMFの審査が早期に実現するかは、微妙だ。
金融相が審査受け入れを正式表明したのを受けて、6日午前の東京株式市場は日経平均株価が一時、約200円反発した。「IMFの審査で邦銀の透明性が高まる」(アナリスト)との期待が広がったためで、不良債権の実態や日本の当局の検査に対する市場や海外の不信が根強いことの裏返しといえる。
柳沢金融相はこれまで検査が適切に行われていることを強調してきたが、あえて「不良債権の引き当て不足」を主張するIMFの審査受け入れに踏み切ることにより、不透明感を一掃したいようだ。
IMFの審査は、金融システムの安定性や監督行政が妥当かどうかについて、金融庁から説明を受け、評価を下すスタイルになる見通し。ただ、金融庁は不良債権問題への対応や検査強化に追われており、IMFの審査に回せる人員が十分確保できないのが実態。今後の事務レベルの調整で、審査内容を簡素化する方向で協議する方針だが、金融庁内からは「審査着手は来年度になるのでは」との見方も出ている。
また、IMFはマクロ経済分析の専門家集団のため、金融に関する分析能力を疑問視する声もある。金融庁は「当局の検査結果がくつがえることはない」とみているが、日本と欧米は銀行の融資形態が異なり言葉の壁もあるため相互理解に手間取り、作業が長引くことも予想される。 【木村旬】
[毎日新聞9月6日] ( 2001-09-06-21:12 )
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