投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 05 日 20:21:18:
厚生労働省は5日、被用者保険に加入するサラリーマン本人が医療機関の窓口で支払う医療費の自己負担について、現行の2割から3割に引き上げる検討を始めた。各保険の財政を改善するとともに、自己負担が3割の自営業者ら国民健康保険の加入者との不公平感をなくす狙いがある。厚労省は02年度医療制度改革に盛り込みたい考えだが、「痛み」を受ける国民の反発で、調整難航は必至とみられる。
被用者保険は、大企業サラリーマンの健保組合、中小企業が対象の政府管掌健保、公務員の共済組合など。現行の自己負担は加入者本人は2割、家族は外来が3割、入院は2割になっている。
医療費増大に伴い、各保険とも老人医療費への拠出金などの影響で財政難に直面している。政管健保は来年度中に積立金が枯渇するのは避けられず、約1700ある健保組合もすでに6割以上が赤字というのが現状だ。このため、02年度制度改革では、各保険の財政悪化を食い止めることが大きな課題になっている。
厚労省は、今月下旬にまとめる制度改革案に(1)老人医療費の対象を現行の原則70歳以上から75歳以上に引き上げる(2)高所得の高齢者は現役世代並みの自己負担とする――ことを盛り込む方針を固めている。同時に、現役世代の負担増も検討しており、その中で自己負担引き上げ案が浮上した。家族の入院についても3割に引き上げることが想定されている。
被用者保険加入者の自己負担が引き上げられれば、97年9月に1割から2割になって以来となる。しかし、各保険加入者、連合など労働界から強い批判を受けるのは確実。また、受診の抑制につながる可能性もあり、日本医師会など診療側の反発も予想される。
[毎日新聞9月5日] ( 2001-09-05-20:15 )
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