投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 01 日 19:06:32:
本日は、朝方は手掛かり材料難の中、前日の米株堅調を手掛かりに堅調に寄り付いた後、11800円レベルでのもみあいが続いた。しかし、後場に入り、大和銀行が近畿大阪銀行、奈良銀行の3行が2003年春をめどに経営統合を方針を固めるとともに3000人の人員削減と140の店舗統合のリストラを実施するとの一部報道が流れると、大手銀行株に買い戻しが入り、全体指数も戻り気味に推移し、225先物は一時12000円大台を回復した。
思い起こせば、今年3月の相場反転のきっかけは、3月15日のUFJの赤字決算決断であった。果たして、今回の大和銀行の経営統合とリストラ策が、全体相場上昇のきっかけとなるかが注目されよう。
今年2月のサレルモG7で、不良債権処理は国際公約となった。そして、今年7月のジェノバ・サミットでは、不良債権処理を最も優先することを掲げた「骨太の方針」も国際公約となっている。このことから、今後の東京市場は、不良債権処理の本気度をキーワードにした動きが想定されよう。
なお、仮に、銀行のリストラと最終処理(破綻)がセットであるならば、今回発生するであろう上昇局面では、超低位株は蚊帳の外に置かれるのことが重要なポイントと言えよう。指数が上昇し、まともな銘柄は買われるが、経営不振企業は買われない。
このような状況が起これば、市場は、銀行の本気を感じている証左となろう。3月から5月初旬の相場では、超低位株も買い上げられていたが、果たして、今後はどうなるか。要注目であろう。
実際の「破綻の実現」、銀行のリストラ、デフレ圧力の発生、日銀、金融庁の適切な対応といった順で投資家にわかり易い形で具現化されるかが今後、上昇相場が展開されるかのカギと考えておきたい。証券税制は税調が前向きになるかにかかっているが、今のところ市場の期待するスピードでは無理のようだ。まずは、不良債権処理進展のシグナルである「破綻」の発生が待たれる局面と考えておきたい。