投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 03 日 13:20:29:
日本銀行が十八、十九日の政策委員会・金融政策決定会合で、八月に続き金融緩和に踏み切る見通しとなった。実行されれば、二カ月連続の政策変更。国内外の株式市場が「世界同時株安」の様相を呈し、デフレ(持続的な物価下落)が加速するなか、銀行向け資金供給量を政策目標とする現行の「量的緩和」を一段と強化、景気を下支えする。
日銀は八月の決定会合で、銀行が日銀に設ける当座預金残高を一兆円程度増やして六兆円程度にし、月額四千億円程度だった長期国債買い切り額を、同六千億円に増額する金融緩和を決めた。
しかし、緩和を決めた八月十四日に一万一九一七円九五銭だった東証平均株価(終値)は、翌日から下落。八月下旬には、一万一〇〇〇円台を割り込んだ。
このため、具体的な緩和策は、長期国債の買い切り額を増やすなどし、当座預金残高を七兆−八兆円程度へ増額する策が有力だ。
ただ、銀行へ流す資金を増やしても、企業に新たな借金を抱える余力は小さく、不良債権にあえぐ銀行も貸し出しに慎重で「この策だけでは効果は限定的」との見方が日銀内部に出始めている。
これを受け、日銀は新たに(1)「消費者物価指数の前年比上昇率が、安定的にゼロ%以上になるまで継続する」としている現在の緩和策の「期間」を「二−三年以内に物価下落を止めることを目標に」などと具体化する(2)債権を担保にして発行される資産担保証券(ABS)を買い入れ、銀行を通さずに実体経済へ資金を流す−などの緩和策導入も視野に入れている。
一方、物価の上昇率に「年2−3%」などの目標を設定する「インフレターゲティング」は、インフレに歯止めがかからなくなる恐れもあるため、導入については慎重に検討する。
日銀の速水優総裁は、八月の金融緩和の狙いを「景気回復の基盤を整備する、という日銀の断固たる決意を示し、人々のマインド(心理)を明るくする」と説明。しかし、その後の株価急落で消費者のマインドは冷え込み、一段の金融緩和に踏み切る必要があるとの見方が強まっている。
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