投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 7 月 30 日 20:37:56:
参院選における与党圧勝を受けて始まった30日の東京株式市場。しかし、日経平均株価は朝方こそ小幅上昇する場面があったものの、終値は1万1579円と今月23日に付けたバブル崩壊後の最安値を1週間ぶりに更新する結果となってしまった。週初の下落は6月11日以来8週連続となるが、市場では「期待していた参院選の与党勝利を受けた相場がこの状況ではいよいよ打つ手がなくなってきた」(準大手証券)との声も聞かれている。参院選での与党勝利は事前予想からすでに相場は織り込み済みだったとの見方が多く、この日の下げは「6月の鉱工業生産指数が4ヵ月連続で悪化したことを嫌気した側面が大きい」(同)との指摘も出ている。
そこで株式市場では中長期の構造改革と並んで足元の景気てこ入れのための「対策」を期待する声が高まっている。「構造改革は当面の景気回復に直結するものではなく、必要条件ではあるが十分条件ではない」(東京三菱証券の北野一ストラテジスト)。このため、足元の景気を下支えするための対策が必要というわけだが、「実際問題として金融政策や財政政策、さらに税制など、どれも手詰まり」(北野氏)で、政府として効果的な景気対策は見出しにくい状況となっている。市場で期待感の大きい証券税制の改正にしても、実態経済の回復を伴わない中で、それだけで株式市場へ資金流入を促すのには限界があるとの見方も少なくない。
一方で、ここから9月中間決算に向けた需給関係の悪化も懸念材料。「現在の東京市場では先週に少し目立った年金資金以外にまとまった買い手が見当たらない状況」(安藤証券エクイティディーリング室)。この中で外国証券を通じた小口の見切り売りに押されてジリジリと下値を切り下げる展開が続いており、これらの売り注文については外国人投資家のほか、金融機関など国内機関投資家からの持ち合い解消売りがかなり含まれているとの見方が大勢だ。時価会計制度の導入を控えて銀行などの売りニーズは今後さらに高まるとの指摘も多い。実態景気が悪化すると同時に需給関係にも改善の兆しは見られず、東京株式市場の手詰まり感は一段と深まってきている。
(H.K)