投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 30 日 22:01:23:
30日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)がバブル崩壊後の最安値を2日連続で更新するなど、市場は「買い手不在」の様相が強まってきた。「大手銀行が9月中間決算をにらんで持ち合い解消の売りを加速化させる」(大手証券)との見方から、株安に一段と拍車がかかり、「日経平均1万円割れ」の懸念も急速に広がっている。
大手銀行は最近、保有株式の売却姿勢を強めている。持ち合い株解消に加えて、9月中間決算から保有有価証券に時価会計が導入されるのをにらんだ決算対策や、不良債権処理のための原資をねん出する必要に迫られているためだ。
東京証券取引所が30日発表した8月第4週(20―24日)の投資主体別株式売買動向でも、東証など主要3市場で、銀行(都銀、長信銀、地銀)の「売り」は「買い」を843億円上回り、9週連続で売り越した。月間ベースでも、売り越し幅は7月以降、急速に拡大している。
一方、最近の株価急落で、銀行の株式含み損は急ピッチで膨らんでいる。
大和総研の試算では、日経平均が1000円下落すると大手銀行13行を合わせた株式含み益は約2・8兆円減少する。これを30日の日経平均の終値に当てはめると、現在の銀行の保有株式含み損は約2兆円に上る計算だ。株価反発の兆しが全く見えない中で、「銀行が新会計制度の下で評価損を膨らませる前に、損切りのため保有株式の売却を急ぐ公算は大きい」(準大手投信会社)との観測がある。
(8月30日22:03)