投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 7 月 29 日 23:02:47:
景気をけん引してきた電気機械産業の稼働率が、バブル崩壊後の最低水準に落ち込む一方、設備の過剰感が急速に強まっている。情報技術(IT)関連を中心に生産能力を増強していたところに輸出の減少が重なり、生産が大幅減となったためだ。稼働率の下がり方は過去に例のないほど急激で、回復には時間がかかる可能性がある。
内閣府が、経済産業省の鉱工業生産指数、稼働率指数、日本銀行の「短観」などの最近データをもとに分析した。それによると、鉱工業生産指数は99年初めから増加基調だったが、今年に入って減少。とりわけ電気機械は昨年8月の143.5が、今年5月には118.1にまで落ち込んだ。
一方、電気機械以外の製造業について同じ時期で比べると、100.2が94.0に下がったが、減少幅は小さく、電気機械の大幅な落ち込みが全体の減少の主因になっていることが分かる。
また、生産能力では、電気機械以外の業種は98年ごろから、生産能力を増強するための投資を抑制してきたが、電気機械は世界的におう盛なIT需要を見込み、能力増強を続けていた。
ところが、昨秋以降に米国のIT景気が急減速。輸出の減少から、IT関連の生産が落ち込み、電気機械の稼働率もがっくりと下がった。稼働率指数は00年8月が105.1だったが、01年5月には85.8と、9カ月で20ポイント近く落ちている。
電気機械では昨年半ば、設備の不足感すらあったが、その後は一転して過剰感が急速に強まっている。日銀の短観による設備の過剰感をはかる指数は、昨年9月の調査ではマイナス4と不足感が勝ったが、その後は過剰感が急速に強まり、今年6月にはプラス33に跳ね上がった。
政府は6月、月例経済報告で景気は後退局面にあるとの認識を示した。機械受注統計の動きをみると、企業の設備投資は今年半ば以降に減少する公算が大きい。電気機械の不振ぶりが改めて確認され、景気浮揚への道筋はさらに見えにくくなってきた。(22:58)