投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 23 日 12:15:28:
政府は、総額40兆ルピアの国債を発行する方針を打ち出した。地元銀行が経営破たんした場合に国民の預金を保証するため、政府は中央銀行に準備金口座を持っているが、この残高は国際通貨基金(IMF)が定めた水準に達していないためだ。IMFが求めている準備金口座の残高は30兆ルピア。しかし、現在の残高は7兆ルピアにすぎない。
新規国債の発行計画については、21日に開かれた政府と国会第9委員会(金融担当)の調整会議で話し合われた。
ブディオノ蔵相は、起債額を40兆ルピアと割り出した理由について、地元銀行が抱える預金総額800兆ルピアの約5%と説明した。
第9委員会は起債の条件として、国家予算の負担を増大しないよう要請している。これに対し蔵相は、「(銀行が閉鎖されず)準備金口座に預け入れられる国債が使用されなければ利息はつかないため、予算に与える影響は少ない」と説明。一方、中銀のシャハリル総裁によると、利息の算出方法は3%にその時のインフレ率を加味したものという。
第9委員会のベニー委員長は、起債を大筋で認めているものの、正式には9月に開かれる作業部会で承認する予定と説明した。
■IMFとの6つの優先条件
政府は先に、IMFとの第3次覚書の調印に向けて、6つの優先プログラムを実施することで合意に達している。これらは、(1)ベースマネーのコントロール(2)政府の銀行預金保証プログラム(3)予算編成(4)銀行再編庁(BPPN)の資産売却および民営化計画と、これにより得た収益の公表(5)大口債務者の再編に関する調査結果公表(6)健全化銀行に指定された民間バンク・インターナショナル・インドネシアの再編。今回打ち出された国債の発行計画は(2)の一環だ。
(1)については、ベースマネー108兆ルピアの目標を掲げているが、実際には8月15日時点で112兆150億ルピアと、達成は困難な状況だ。
中銀のシャハリル総裁は「現実的な数字は110兆ルピア」と指摘、IMFに対して目標値を引き上げるよう要請する考えを示した。
一方、(3)については、ブディオノ蔵相によると、政府が今年度予算を修正しない方針を伝えたところ、IMFも「今年度予算は適性であると評価している」(アノープ・シン・アジア太平洋担当副局長)と、これを受け入れる姿勢を示したという。
また、(5)の大口債務者の再編に関する調査結果については、BPPNのアリ・スタ長官が「今週中にも発表できるだろう」との見通しを示している。
これら6つのプログラムが完了すれば、IMF覚書の調印にこぎ着けることが可能だ。政府は当初、今週中の調印を見込んでいたが、アノープ副局長は22日、「来週27日まで話し合いを続ける必要がある」と発言。これまで何度も延期されてきた調印は、再び繰り越される公算が大きくなった。