INGベアリングに“誤植”で業務改善命令〜金融庁、一罰百戒?(PAXNET)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 22 日 20:04:10:

今年5月28日に欧州系のINGベアリング証券東京支店アナリストが発行した大和銀行のリポートを巡り、同証券に20日、金融庁の“厳罰”が下った。
同リポートの“誤植”がもとで大和銀株価が急落した上に、結果的に投資家に誤った情報が伝わったとして証券取引法で禁止されている「虚偽の情報提供」に抵触したと判断されたためだ。
アナリストの質の問題に対して国際的な論議が高まる中で、金融庁が一歩踏み込んだ格好だが、市場では「トカゲの尻尾切りで終わらせるな」(銀行系証券)との声が上がる。

●問題の「リポート」は

金融庁が問題にしたのは、同証券の銀行アナリストであるジェイムス・フィオリオ氏が発行した大和銀行に関するリポートだ。同氏は同行への投資判断を「保有」から「売り」に引き下げたうえに、推定適正株価を額面と同額の「50円」と分析した。
だが、同リポートでは銀行の生命線とも言える自己資本比率の記述に明確な誤植があったうえに、預金残高を巡っても同氏の取材不足が露呈。大和銀側の抗議も重なって、同証券は6月7日付の全国紙に異例の「お詫び広告」掲載に追い込まれた。
リポート発行に際し、企業の経営指標に関する誤植はあってはならないこと。また「自らの判断を際立たせようと、企業側の言い分に十分配慮しなかった点では、フィオリオ氏にアナリストとして同情する余地は少ない」(米系証券アナリスト)との声が上がる。
だが、こうしたミスが重ならなければ、同証券が業務命令を受けるほどの重大事ではなく、「単なる誤植でしたと誤れば済む話」(同)というのだ。

●「トカゲの尻尾切り」への懸念

同証券への行政処分が市場関係者の注目を集めたのは、処分の中身ではなく、「アナリスト批判のスケープ・ゴートにされてしまう可能性がある」(欧州系運用会社幹部)ためである。同氏のリポートは、刺激的な内容こそ含んでいるが、「誤植さえなければ、投資判断を示すごく普通のもの」(同)であり、「株式の営業部隊や投資銀行部門とベッタリのアナリストからみれば、まだかわいい部類に入る」(同)というのだ。
つまり、アナリストの人気ランキング上位に顔を出す著名人の中でも、「営業部隊が強力で、アナリスト・リポートを武器に機関投資家向けにインサイダーまがいの取引を持ちかけてくる証券会社が後を絶たない」(米系投信)。加えて「所属証券会社の投資銀行部門のM&A案件を有利に運ぼうと、企業の経営実態からかけ離れた記述を行うリポートもまだまだ目立つ」(別の米系投信)ことこそ、現在、国際的に問題視されているアナリストを巡る論議の中心だからだ。
INGベアリング証券に対し、金融庁はアナリストが所属する調査部門と、営業サイドの情報隔壁の構築を進めるよう求めた。リポートの誤植は問題外としても、一応市場関係者が注目するポイントには触れた格好だ。今後同庁が「札付きアナリストと所属証券会社をどの程度厳しく指導できるか」(先の銀行系証券)に関心が移るのは間違いない。まさか、今回の“誤植”問題を持って、事態の幕引きということは無いと信じたいところだ。
○URL
・金融庁の報道発表資料
http://www.fsa.go.jp/news/news.html
[相場英雄 2001/08/22 15:39]



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