投稿者 sanetomi 日時 2001 年 8 月 19 日 23:49:09:
竹中経済財政相は19日、NHKの討論番組「日曜討論」に出演し、一定の物価上昇率を目標に金融政策を運営する「インフレ目標」の導入について、「日銀はすでに(消費者物価上昇率が)ゼロ%以上になるまで緩和を続けるとしているが、目標達成の手段が明確でなく、議論の余地がある」と述べ、日銀に明確なインフレ目標の設定を含め、デフレ阻止に向けて一層踏み込んだ政策運営を取るよう求めた。
また、竹中経財相は、「日銀は未知の領域に入っていこうとしているが、構造改革そのものが未知の領域だ。金融も、未知の領域に入ってそれなりに負担してほしい」と述べ、金融政策によって物価の下落を阻止することが、実質金利の低下や金融機関の
不良債権処理に貢献すると指摘、インフレ目標の導入を含む追加措置を「考えざるをえない時期に来ている」と強調した。
これに対し、日銀の増淵稔理事は、「正統的な手段を完全に使い果たした後で、さらなる金融緩和として何ができるのか、日銀外部の声も参考にしながら考えていく柔軟性が必要だ」と述べ、経済情勢が一段と厳しさを増した場合は、14日の量的緩和に続
く追加策の実施に含みを持たせた。
しかし、増淵理事は「中央銀行としてどうしても譲れない一線もある。守るべきものは守り通す」とも述べ、政府、与党内で期待が高まっている、あらゆる手段を使って物価上昇率の目標達成を目指す政策には、反対する考えを示した。
一方、竹中経財相は、テレビ朝日の番組「サンデープロジェクト」でも、日銀が明確なインフレ目標政策を導入すべきだと主張する一方、日銀がインフレ目標を導入する場合には、「政治家も、公共料金や公務員の給与水準をどうするかの判断を求められる」とも指摘した。
(8月19日23:29)