投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 18 日 22:43:33:
財務省は、財政赤字でこれからも国債の大量発行が避けられないため、「個人に国債をもっと買ってもらえないか」と、貯蓄国債やインフレ連動債など新しい国債の発行の検討に乗り出した。国債の売れ行きが鈍れば、財政再建に向けて大きな障害となる国債価格の急低下(利回りの急上昇)を招きかねないためで、あの手この手の「商品開発」に知恵を絞っている。
インフレ連動債は、発行後に物価が上昇すれば、その分の利払いが増える。年金など長期で運用する投資家からの要望があり、世界20カ国で導入されている。貯蓄国債は個人が買いやすいように工夫した国債で、米国では一定の条件で簡単に中途換金を認めたり、税制上の優遇措置を導入したりして、個人保有の国債の7割弱を占めている。
日本では1400兆円もの個人の金融資産があるが、国債保有比率は2.5%で10%前後の英米に比べて低い。来年春のペイオフ解禁(預金全額保護の特例廃止)をきっかけに動くと見られる個人の資金の受け皿にしようという思惑もある。
これらは、国債の円滑な消化をめざして同省が昨年9月に発足させた「国債市場懇談会」(座長・吉野直行慶応大教授)で議論されている。
とはいえ、市場関係者の間には「デフレ傾向を強めているなかで、インフレ連動債のニーズは少ない」「貯蓄国債は、同様に国の信用を背景とした郵便貯金と競合しかねない」といった慎重論もある。財務省は懇談会の議論や景気動向、郵貯改革の行方などを見定めたうえで導入の是非を探る構えだ。(22:42)