円高:変質する米のドル高政策〔毎日新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 16 日 20:12:59:

【ワシントン逸見義行】
15日のニューヨーク外国為替市場でドルが全面安となり、2カ月半ぶりに1ドル=119円台ををつけたきっかけは、オニール財務長官が「ドル高政策」の変更を発表するといううわさだった。繰り返し変更説が流れるのは、米政府が主張し続ける「ドル高政策」維持を市場が信用していないからだ。実際、90年代後半の史上最高の好景気を支えた「ドル高政策」は根底のところで変質してきているように見える。
クリントン政権で、当時のルービン財務長官が推進したドル高政策は、貿易赤字が増えてもドル高を積極的に志向することで、海外からの資金を呼び込み、その結果、長期金利が低下して投資が拡大することで、米経済全体が成長することを目指す拡大志向だった。
しかし、昨秋以降の景気減速では、ドル高で海外からの低価格の輸入品が増加、製造業を中心に米国産業界が打撃を受けている。製造業団体は6月に「97年以来、ドルは27%も他の通貨に対し高くなり、企業のコスト削減努力を上回っている」と指摘、ドル高是正をオニール長官に迫った。
アルミ業界出身の同長官はこの問題を最も痛感している閣僚だ。何度も同政策維持を強調してきたが、就任直後の2月にはドイツの新聞のインタビューに「強いドルは強い経済の結果」と発言、市場の流れに任せる姿勢を示した。ブッシュ大統領も7月のジェノバ・サミット(主要国首脳会議)直前に「市場がドルの価値を決めるべきだ。ドル高には良い影響と悪い影響がある」と製造業界の懸念に理解を示した。
それでも米国が「ドル高政策」維持の姿勢を崩さないのは、過剰消費を背景に巨額の経常赤字を抱え、政策を放棄した途端にドルが急落する懸念があるからだ。積極志向から消極志向へ。「ドル高」の内実はすでに変質している。
[毎日新聞8月16日] ( 2001-08-16-20:02 )



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