投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 15 日 16:45:34:
為替の動向につき、ご質問がありましたので、以下の通り、ご返答させて頂きました。(ご返答日時 日時: 2001/08/12 18:27:25 東京 (標準時))
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今後の為替ですが、じりじりと円高になってきていますが、恐らくこれからが本番を迎える事になると思っています。
では、これを、個人が機敏に動き回って、利益を上げる事が出来るか?となりますと、疑問に思っています。(動きがかなり速いからです。)
今度の円高は、米国ブッシュ政権の意向がかなり入っています、いわば、政策円高というものです。
これに、市場の殆どが<円安・ドル高>のポジションを組んでいる現在、ヘッジファンドが乗っかり、120円前後に組まれています、オプションを崩しに掛かると思っています。
これが、崩れれば、円は一気に、115円〜118円まで急騰するでしょう。で、その後は、株価の暴落もあり、円は、当初の方針通り、円安に向かいます。これは、テクニカル面ではなく、基礎的要因に基づいた動きです。
そこで、自動車産業の為替戦略になりますが、決算を見ていますと、例えば、ホンダ等は、125円を想定しているように、見受けられます。
通常、このような大手になれば、為替ヘッジをかけています。
ホンダは、125円以上の円安になれば、利益のあがる、そのような為替予約を組んでいると思っています。
ところが、このような為替予約は、反対に、120円への円高になれば、今度は、全ての“プレミアム”が消滅し、一切の予約が消滅するような条項がついている場合があります。
私は、今回の決算を見て、ホンダ・トヨタとも、物凄い為替益を挙げていますから、今度も円安ポジションを組んでいると見ているのです。
この場合、もし、120円を突破するような円高になった場合、すべてのオプションが消滅し、数百億円の損を被る例が出てくると思っています。
これは、一種の<破壊>ですから、多くの輸出企業は、物凄く慌てるでしょう。
なぜなら、市場が一斉に、円高論に傾くからです。
ところが、市場が一斉に円高に傾いた場合、そこが、今度は、転換点になります。
経済の基礎的な要因は、円安だからです。
以上の次第もあり、たとえ、一時的な円高でも、(企業は)莫大な損を被るというのが、お分かり頂けたと思います。
では、その後の円安で、利益を上げるではないか?と言われると思いますが、今回の円高が、ブッシュ政権の意向でもあり、即ち、これは、米国産業界の意向でもあるのです。
自動車であれば、GM・フォードの意向です。
近いうちに、必ず、日米自動車摩擦が起こります。
これは、日本からの輸出を大幅に削減することを求めてきますから、これだけで、自動車株は下落基調に陥っていきます。
実際の業績に反映されるはるか前に、株価は反応し始めます。
ですから、私は、自動車株には、警戒が必要であると思っているのです。
折から、トヨタには、12月はじめに、EB債の償還がまっていますから、株価は、叩き売られるかも知れません。
悪材料に、EB債が絡めば、株価は、底抜けを演じても、不思議ではありませんから。