投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 15 日 14:35:28:
15日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は社説で、日銀が毎月の長期国債買い入れ額を50%増やすと決定したことは、正しい方向への不完全な一歩だ、と指摘。経済をデフレスパイラルから引き上げるために必要な断固たる政策シフトからはほど遠い、との見方を示した。
同紙は、昨日の発表では、現在必要とされる一連の政策があまり示されていない、との見方を示した。国際通貨基金(IMF)が最近の審査報告で示したように、経済の進展は銀行システムから始まる構造改革にかかっており、中期的には、政府債務を容認できない水準へ引き上げかねない財政赤字にも取り組まなくてはならない、としている。
同紙は、小泉純一郎首相は、これらの課題に取り組むと公約したが、3つの問題がある、と指摘している。第1に、日本には、最近発表したような積極的な支出削減よりは、長期的な赤字削減プログラムが必要であること。
2番目は、政府が銀行の不良債権処理に必要な支援を実施する代わりに、より高い収益性の目標その他の改革を銀行に課すという困難な闘いに直面していること。
3番目は、いかなる財政・銀行改革の計画も、需要を維持するために調和的な政策を必要とすること。
同紙は、財政赤字削減は、さらに需要を落ち込ませるため、当面延期しなければならない、としている。
また、公的支出を増やし、金利をゼロに近い水準に誘導するという、これまでの治療法は効果がなかったと指摘、14日に発表されたよりも大幅な金融緩和による刺激で、適度なインフレに戻すことが治療法になる、としている。
同紙は、国債買い戻しのための増刷は、日銀の保守派にとっては魅力的でないかもしれないし、ハイパーインフレの危険も排除できないが、IMFが指摘しているように、現時点では、幅広い戦略の一環としての金融緩和だけが確かな選択肢だ、としている。これには、インフレ目標や長期的な財政安定化計画が含まれるべきだという。
ただ、金融緩和は、日銀が希望していると思われるよりも、もっと野心的なものであるべきで、今週のように場当たり的な政治的合意のように見えるものでなく、慎重な計画の一環であるべきだ、としている。