投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 10 日 20:38:02:
竹中経済財政相は10日、8月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。政府の景気認識を示す基調判断は7月の「悪化している」から「さらに悪化している」に変え、2か月ぶりに下方修正した。生産や輸出が大幅に落ち込んでいることに加え、設備投資の減少傾向が明らかになったためだ。さらに先行きの懸念材料として、世界経済の減速と在庫の増加を挙げた。
政府は6月の月例で景気の後退局面入りを事実上認めたが、「景気悪化の度合いは増している。底打ち感も出ていない」(内閣府幹部)として、景気動向に警戒感を強めている。
8月の月例経済報告の個別項目を見ると、設備投資、生産、輸出、雇用、住宅をそろって前月から下方修正するとともに、個人消費は「横ばいだが足元に弱い動き」との表現を変えなかったが、消費支出や小売業販売額など弱い動きの指標が目立つと懸念を示した。
設備投資は「頭打ち」から「減少」に下方修正した。法人企業動向調査(6月調査)で4―6月期の実績見込みが前期比8・6%減と大幅に落ち込んでいる上、資本財の出荷も減少傾向を続けているためだ。
生産は「引き続き減少」を「大幅に減少」とし、輸出も世界経済の減速の影響で「減少」から「大幅に減少」へ下方修正した。
雇用については「求人や残業時間も弱含んでいる」としたほか、住宅は新規住宅着工の減少に伴って、「弱含み」から「減少」に下方修正した。
竹中経財相は10日の会見で、「世界的なIT(情報技術)不況の洗礼を受けている。改革のプログラムを明示して、それを実現に移すことが必要だ」と述べ、景気回復に向けて構造改革の必要性を改めて強調した。
(8月10日20:15)