経営再建中の雪印乳業に自民党と農水省が「外資との資本提携は困る」と注文をつけた問題で、同省の渡辺好明事務次官は7日の記者会見で「行政が関与する問題ではなく、農業者の声を率直に伝えただけだ」と釈明した。省の公式見解を修正した形だが、省内にはなお「外資は困る」との意向が強い。
渡辺次官によると、雪印の再建計画が明らかになった5日以降、酪農家・団体から「外資は牛乳などの不採算部門を切り捨てかねない」との懸念が農水省に多数、寄せられたという。
自民党の農林関係部会で「外資系との提携は困ると雪印に伝えた」と須賀田菊仁・生産局長が発言したのも、こうした酪農家の懸念を伝えたものだとし、渡辺次官は「企業の資本提携はあくまで企業が最終判断する問題だ」と説明した。
ただ、国内の酪農保護を優先する農水省にとって、「指導」が通用しない恐れがある外資の参入は避けたいのが本音。法的根拠はないが、雪印問題に対し、農水省や自民党による水面下での介入は続きそうだ。(18:55)