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02/02 14:40 偽装牛肉に口閉ざす豪業界 冷静にビジネス優先 外経50
【シドニー2日共同】雪印食品がオーストラリア産牛肉を国産牛
肉と偽装し、狂牛病対策の在庫買い取り制度を悪用した事件で、オ
ーストラリア国内の食肉・畜産の業界団体はそろって「ノーコメン
ト」と口を閉ざしたままだ。
「日本の国内問題でわれわれは部外者」というのが沈黙の表向き
の理由。その裏には、ことを荒立てて日本の牛肉消費をさらに冷え
込ませるのは避けたいという、ビジネス上の冷静な計算が透けて見
える。
日本はオーストラリアにとって、年間三十三万六千トンの牛肉を
輸出する金額ベースで最大の顧客。しかし、日本の狂牛病ショック
のあおりを受け、昨年後半の牛肉の対日輸出は前年比で大きく落ち
込んだ。
ある政府筋は「オーストラリア産の安全性が認識され日本でのシ
ェアはアップしたが、全体が落ち込んでは元も子もない」と指摘。
その上で「業界が雪印(グループ)を非難するのは難しい。食肉以
外でも多くの農産物を輸入する優良顧客だから」と打ち明けた。
トラス農相は先月三十日の東京での記者会見で「日本産や米国産
の牛肉もラベルを張り替えられていたようだ」とわざわざコメント
。自国商品に落ち度はないが、なるべく「オーストラリア」ブラン
ドをスキャンダルから遠ざけたいとの意図をにじませた。
(了) 020202 1439
[2002-02-02-14:40]