★阿修羅♪ 狂牛病・遺伝子組換3 ★阿修羅♪ |
高齢で乳の出が悪くなった乳牛(乳廃牛)の行き場がなくなっている問題で、農水省は31日、国が乳廃牛を買い上げ、流通が不可能なものは焼却する事業を1日から始めることを決めた。高齢の肉牛も対象とし、買い取りや焼却の費用などに、年間約200億円を投入する。
牛肉の流通を円滑化させるのが目的だが、買い上げる牛は狂牛病検査は受けなければならない。「狂牛病の牛が自分の所から出るかもしれない」という農家の不安が解消するかどうかは不透明だ。
乳廃牛は狂牛病発生のリスクが高いとされ、国内で感染が確認された3頭も乳廃牛だった。このため、農家が出荷を控えたり、食肉処理場が受け入れを拒否したりして、現在も全国で約4万4000頭が行き場を失っている。
実際に買い上げるのは農協などの業界団体で、同省関連の農畜産業振興事業団が買い上げ費用を助成。1年間の事業で、対象は乳廃牛約30万頭、高齢などで廃用となった肉牛7万頭の計37万頭を見込み、1頭につき乳廃牛4万円、肉牛5万円を支払う。
買い上げた牛は、食肉処理場に回して牛肉に加工し、流通が不可能なものは焼却する。食肉処理場では、昨年10月18日から始まった狂牛病の全頭検査が義務づけられているため、今回買い上げる廃用の牛も、すべて検査の対象となる。また、処理場には「協力費」として1頭あたり1万円を支払う予定だ。
同省は、これまでに農協などに乳廃牛を預かる施設を確保してもらい、預かり期間中の飼料代や運送代など約11億円を助成する対策を始めたが、「一時的に預かっても問題を先送りするだけ。国が買い上げて焼却することが必要」との自民党の農林族議員の声に押し切られる形で、今回の買い上げが決まった。(読売新聞)
[1月31日15時24分更新]