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2001年12月13日
狂牛病:
「日本の対策、逆効果」 EU最終報告書で指摘
日本で狂牛病が発生する危険性について、欧州連合(EU)が実施していた調査の最終報告書(草案)を毎日新聞は12日までに入手した。文書は農水省の抗議で公表が中止され、これまで「文書化したものはない」とされていた。報告書は「日本で取られている対策は狂牛病の感染をむしろ拡大させる」と指摘、改善策も提言していたが、報告書に沿った対策は取られなかった。狂牛病発生の危険性を4ランクのうち2番目に高い「レベル3」(確認されていないが可能性は大いにある)と評価。農水省が国内における狂牛病の危険性を十分認識できたことを示す資料で、責任を問う声がさらに強まりそうだ。
この調査は98年、日本側の要請で始まった。ところが今年6月、厳しい評価になることを知った農水省が、記者会見で「評価方法が疑問」と表明。日本政府の抗議で報告書の作成は中止となり、幻の報告書になっていた。
草案は英文で、今年2月1日付。表紙に「コンフィデンシャル(秘)」と書かれ、A4判にして12ページ分。EUの科学運営委員会の狂牛病専門家班がまとめている。
狂牛病発生国からの牛や肉骨粉の輸入状況について、英から88年に牛19頭▽86〜90年に英、伊、デンマークから肉骨粉や骨粉など計594トン――などと指摘。肉骨粉は狂牛病の感染性をなくす熱処理をした証明がなく、狂牛病の病原体を日本にもたらした危険性が高いとしている。
国内で肉骨粉が牛に与えられたことを示す複数のデータも列挙。異常プリオンが蓄積する特定危険部位を肉骨粉に加工していた▽同じラインで作られた牛、豚、鶏の餌の間で病原体の「交差汚染」が起きた▽狂牛病の発生を調べる調査のサンプル数が少なく、既に発生を見過ごしている――などの可能性も指摘している。実際、農水省が今年9月に調査したところ、肉骨粉などを与えられた牛が全国で5129頭も飼育されていた。
草案は、輸入肉骨粉によって入ってきた狂牛病は、非常に不安定な対策によって循環・拡大し続けていると警告。その対策として、肉骨粉を牛に与えない▽肉骨粉加工法を改善し、特定危険部位を使わない▽監視体制の改善――を提言した。いずれも、日本で初めて狂牛病の牛が見つかった今年9月以降、国が取った対策と同じだった。 【狂牛病取材班】
[毎日新聞12月13日] ( 2001-12-13-03:01 )