★阿修羅♪ 狂牛病・遺伝子組換3 ★阿修羅♪ |
狂牛病(牛海綿状脳症)問題で、「行政指導を知らなかった農家がいるが、恥ずかしいと思わないのか」と26日に発言した武部勤農相。しかし、「肉骨粉等」を牛に与えないよう行政指導した農水省の通知(96年4月)は、実際には農家の多くや一部の農協に伝わっていなかった。通知が自治体などにとどまっていたケースがあったためで、その結果、5000頭以上の牛が危険な肉骨粉類を食べ続けた。農水省や自治体に、狂牛病への危機感が欠けていた。 【狂牛病取材班】
「全然記憶にない。肉骨粉という言葉も今回のこと(狂牛病問題)で思い出したくらいだ」
国内1、2頭目の感染牛が生まれた北海道。96年4月当時、酪農畜産課長だった麻田信二・農政部次長は淡々と話した。通知は道内14支庁と業界団体に流した。支庁などから各市町村と農協に回され、最後は農家に届くはずだった。
しかし、他県の経済連にあたるホクレンは通知を受け取っただけで、傘下の農協に流さなかった。広報宣伝課は「(ホクレンが製造販売している)牛用の飼料は肉骨粉を使っていなかったから」と説明する。
群馬県は96年5月、配合飼料製造工場12カ所と農政事務所、家畜保健衛生所などに通知と同じ内容の文書を送ったが、県経済連や農協には知らせなかった。「国が全国組織の業界団体に通知しており、団体側で通知していると思った」(畜産課)という。
このため、国内3頭目の感染牛が出た同県宮城村の農協幹部も「肉骨粉のことは1頭目の感染牛が出た今年9月まで知らなかった」と話す。関東地方の別の県の家畜保健衛生所の職員も「通知は来たような気はするが、農家には伝えなかった。当時は狂牛病は日本には入らないと思っていたから」と答えた。
かつて乳量を増やすため牛に肉骨粉などを与えるよう勧めていた酪農学園大短大部(北海道江別市)の安宅一夫学長(家畜飼料学)は「農水省の指導が出た時、学会も業界もあまり深刻に受け止めなかった。私も肉骨粉が危ないとは言わなかった。もっと早く警鐘を鳴らせばよかった」と反省する。
茨城県の酪農家は飼育している乳牛60頭のうち、10頭に骨粉を与えていた。骨粉は家畜の骨を高温高圧で処理して粉末にしたもので、脳や内臓を原料にした肉骨粉とは違うが、「肉骨粉等」に含まれる。このため、この10頭は移動を禁止された。酪農家は農相発言について「行政指導のことは全く知らなかったし、農家に英国の狂牛病の状況が分かるはずもない。農相は追及されて逆切れし、農水省の行政サービス機関としての存在意義まで否定した。『恥ずかしくないのか』という言葉はそのまま農相にお返ししたい」と憤る。(毎日新聞)
[12月28日3時50分更新]