小泉純一郎首相は8日夜、都内のホテルで公明党の神崎武法代表と会談し、自公両党が信頼関係を持って政権運営していく方針を確認した。首相は「今年は選挙はない。改革をやる」と衆院解散・総選挙を重ねて否定。神崎氏は、牛肉の生産、流通経路の追求システムの構築など農政改革で3点を要望、首相も積極的な考えを示し、同席の山崎拓幹事長に検討を指示した。
今回の党首会談は、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)問題を受けた武部勤農相の進退問題をめぐり、農相辞任を公然と要求した公明党に対し、首相官邸が続投で押し切り、ぎくしゃくした関係を修復するのが狙い。農相不信任決議案に欠席して野党側から「腰砕け」批判を浴びる公明党にとっては、支持者向けに農政改革に対する首相の言質を取りたかったようだ。
神崎氏は、農政改革でこのほか(1)省令ではなく法律による肉骨粉の輸入、製造、販売禁止(2)食品のリスク評価を行う独立機関の速やかな設立−−を要望した。(