BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)と似てシカの仲間の脳がスポンジ状になる「慢性消耗病(CWD)」が先月末、米北部のウィスコンシン州で新たに確認されるなど、米国内で拡大の兆しを見せていることが13日、分かった。
テキサス州は同日までに、州内へのシカの持ち込みを禁止する措置を取ったが、CWDは野生のシカにも発生しており、関係者は対応に苦慮している。
CWDは、シカ類の脳がスポンジ状になる病気で、BSEやクロイツフェルト・ヤコブ病と同じ、伝染性海綿状脳症と呼ばれる病気の一種。昨秋、コロラド州やワイオミング州などで高率で発生していることが確認され、農務省が対策に乗り出していた。
だが、昨年末までに発生が確認された州は両州のほかネブラスカやモンタナなど計7州に拡大。さらに先月末には北部ウィスコンシン州でハンターが射殺した3頭の野生のシカが感染していることが判明し、同州政府が、州内のシカの緊急調査などを始める事態になった。
一方、シカ猟やシカの飼育が盛んなテキサス州は、CWDの拡大を受け、オジロジカを州内に持ち込むことを全面禁止する措置を取った。
CWDが牛や人間に感染する証拠はないとされているが、詳しいことは分かっていない。 (ワシントン共同)(毎日新聞)
[3月14日12時1分更新]