雪印食品による牛肉偽装事件を受け、農水省は国の買い上げ事業の対象となった牛肉の総点検を実施しているが、作業の過程で品質保持期限が切れた疑いのある牛肉が見つかり、農水省は28日までに伝票などの詳しい調査を始めた。
買い上げ対象の牛肉は、全国で約1万2600トンにのぼり、このうちまだ焼却されていない約1万2000トンが、約92万箱に詰められ、全国の259か所の倉庫に分散されて保管されている。
同省は今月8日から再点検を始め、これまでに30倉庫で部位などが同じグループ(ロット)ごとに、1248箱の抽出検査を終えた。この中の一部に加工年月日が通常の冷凍保存に耐えられる「2年」を超えた古い加工年月日が表示された箱が見つかったという。同省は、買い上げ対象にならない品質保持期限切れの牛肉が、意図的に混入された可能性もあるとみて、この箱と同じロットのすべての箱を開封し、伝票などの書類の調査を進めている。
問題の牛肉を買い上げ申請した業者名などについて、同省は「現在、詳しい調査を続けている途中なので公表できない」としている。(読売新聞)
[2月28日11時58分更新]