大都市の噴水や人工滝といった水景施設の2割で肺炎などを起こすレジオネラ菌が増殖していることを大阪府立公衆衛生研究所と横浜市衛生研究所が突き止め、大阪市で22日開かれた日本環境感染学会で発表した。
霧状になった水を子どもや高齢者らが吸い込むと発病する危険性があり、「水温が20度を超す5月ごろから菌が増殖する。適切な管理と消毒が必要だ」と研究者は指摘している。
両研究所は大阪府と横浜市で一昨年9―10月、公園やショッピングセンターなどの屋内外に設けられた水景施設82か所を調査した。そのうち、15か所で100ミリ・リットルあたり10個以上の菌を検出。すぐに消毒を行う必要のある目安とされる100個以上検出された施設は8か所あった。最高は大阪府内のビル敷地の噴水で6300個。
レジオネラ菌は土壌や淡水に生息するが、空調用冷却塔、入浴施設、循環風呂、加湿器などで増えやすく、集団感染や死亡例が相次いでいる。米カリフォルニア州のホテルでは1988年、ロビーの噴水近くで食事をした34人が発病している。(読売新聞)
[2月22日11時48分更新]