農水省は狂牛病(牛海綿状脳症)対策として、店頭の端末機で国産牛肉の出生地や「検査陰性」などが識別できる本格的な追跡システム作りに乗り出す。武部勤農相が15日の閣議後会見で公表した。鹿児島県産和牛(ステーキ用肉)を主な対象に、ジャスコ大和鶴間店(神奈川県大和市)で21日から、全農の協力で実証試験を始める。
同省は既に牛の個体識別する「総背番号制事業」を進めているが、生産地から食肉処理場までのシステムで、小売店でも識別できる仕組みが求められていた。
実証試験では、牛の出生地・品種・食肉処理日・「検査陰性」などをデーベースに登録し、牛の識別番号で確認できるようにする。農場から食肉処理場へ出荷され、店頭で部位ごとにパックされた商品も番号が付ける。消費者は売り場の端末機で番号を打ち込むと、その牛の生産履歴が分かる仕組みだ。
3月上旬からは福岡県産牛肉を対象に、福岡市の特定の生協会員が自宅でインターネットを通じて検索できるシステムが動き出す。 【塚本弘毅】(毎日新聞)
[2月15日14時1分更新]