投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 07 日 17:46:14:
狂牛病に感染した牛が生まれた北海道佐呂間町の牧場で使われていた牛の飼料が、肉骨粉入りの豚や鶏の飼料と同じ生産ラインで製造されていたことが6日、分かった。96年に牛飼料への肉骨粉使用が「禁止」された後も業者の間では肉骨粉混入の危険性が指摘されていたが、農水省が牛用に専用ラインを設けることなどを定めた混入防止のガイドラインをつくったのは今年6月になってから。混入と感染牛との関連は不明だが、徹底を欠いた農水省の対応が改めて問われそうだ。 【早川健人、井上英介】
同牧場を経営していた元酪農家は、北海道庁の調査に、同牧場で育てた牧草と佐呂間町農協を通じて購入していた配合飼料を牛に与えていたと回答している。
配合飼料は計8種類あり、うち6種類をホクレンくみあい飼料(本社・札幌市)の北見工場(北海道訓子府(くんねっぷ)町)と釧路西港工場(北海道釧路市)が製造した。いずれも同じ生産ラインで、牛と豚、鶏の餌を製造しており、豚、鶏用には道内の牛からつくった肉骨粉が含まれていた。
同社北見工場では、豚や鶏の餌を製造した後は「クリーニング」を行っていたという。クリーニングは、トウモロコシなどの原料を製造ラインに流し、ラインに付着した肉骨粉や魚粉を押し出す方法だったという。
しかし、同工場に肉骨粉を納入している小西畜肉(本社・北海道北見市)は以前から肉骨粉が牛の飼料に混入する危険性を関係者に指摘していたという。「同じ製造ラインで生産している以上、肉骨粉が牛の飼料に混ざらないほうがおかしい。粉は工場内を舞い、天井や機械に付着し、落下する。製造ラインをいくらクリーニングしても、牛の餌の生産中に落下すれば、混入するのは当然」と言い切る。
同牧場が購入していた別の配合飼料のメーカーである日本農産工業(横浜市)も「混入を防ぐために施設を掃除しているが、牛と豚、鶏の餌を一部共通の生産ラインで製造している以上、混入の可能性はゼロではない」と説明。「各地の飼料メーカーの多くが同一の生産ラインで豚・鶏と牛の飼料を製造しており、同じ問題はどこでも起きうる」という。
農水省は96年に肉骨粉を牛に与えることを「禁止」する通達を出したが、今年6月まで飼料への肉骨粉混入を防ぐ具体的な方法を指示しておらず、「乳牛の飼料にさまざまな抗生物質が混ぜられるようになったため、90年ごろから官民挙げて製造過程の品質管理を厳しくしていたので、問題ないと思っていた」と話している。
[毎日新聞10月7日] ( 2001-10-07-03:01 )
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