投稿者 ★阿修羅♪ 日時 2001 年 10 月 05 日 23:31:17:
回答先: Re: 獣医学会・動物衛生研究所 非常に危険とおすみつき 投稿者 tomo 日時 2001 年 10 月 05 日 20:52:45:
死の病原体プリオン
リチャード ローズ (著), Richard Rhodes (原著), 桃井 健司 (翻訳), 網屋 慎哉 (翻訳)
価格(税別): ¥1,900
エディターレビュー
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とにかくおもしろい。息もつかせぬ興奮と戦慄(せんりつ)の連続だ。ニューギ
ニアの人食い族の間で呪術のせいとされた奇病に端を発する第1部から、「現代の生
物学では解けない謎」を探る第2部、イギリスで発生した狂牛病を扱う第3部まで一気
に読まされた。
本書のおもしろさの一面は、「免疫反応を引き起こさない感染症」の謎解きにあ
る。ニューギニアのクールー、約200年前に発見された羊のスクレイピー、クロイツ
フェルト=ヤコブ病、狂牛病など、それまで何の関連もなかった病気が実は同じ病原
体によることが徐々に明かされてゆく。
その病原体といわれるのがプリオンだ。プリオンは遺伝子を含まずに増殖する「感
染性タンパク微粒子」なので、「遺伝情報の伝達はDNAからタンパク質へ一方通行に
行われる」というセントラルドグマに反する。もしも、その性質が本当だとすると、
生物学を根底から覆してしまうほどの物質である。しかしまだ仮説の域を出ないとも
いわれ、その真偽をめぐる考察も読みごたえがある。
何よりも、この病原体の恐ろしさに読者は衝撃を受けるだろう。放射線照射や360
度の高温でも感染力を失わず、致死率は100%。患者の脳はスポンジ化し、苦しみと
絶望の果てに死に至る。狂牛病の牛を食べるほかにも、さまざまな感染経路が考えら
れると本書は警告する。今のところ人間の感染例はヨーロッパにとどまっているよう
だが、しっかりした対策を取らなければどの国でも感染の危険はある。つまり、誰一
人として他人ごとでは済まされないのである。(齋藤聡海)
内容(「BOOK」データベースより) 脳がスポンジと化す。その奇病を引き起こす病
原体は、放射線照射も、360度の高温をも生き延びる。そしてそれはいまや食肉、化
粧品から医薬品まで、われわれのごく身近にあるという。感染すれば、痴呆、けいれ
んの末に100パーセント死に至る。予防手段も治療方法もない。奇病は羊、ミンク、
牛、猫へと種を越えて拡がり、ついにイギリスの少年少女たちが倒れた。いずれも脳
がスポンジと化していた。そしてその病原体には遺伝子がない。それでもなお自己増
殖し、進化し、変異をとげるという。この不死身の病原体の正体とは何か。羊の病気
から狂牛病、アルツハイマー病へとつづく奇妙なつながりが指し示す人類の未来とは
…。本書はフィクションではない。医学・生物学の常識を、生命の概念そのものを根
底から覆す戦慄のドキュメントである。
内容(「MARC」データベースより) 致死率100%の狂牛病、クロイフェルト=ヤコブ病
を引き起こす病原体。たった一片で脳をスポンジ化し、放射線も高熱も生き延び、遺
伝子もないのに進化するこの病原体の正体は? 生命の概念そのものを覆す戦慄の事実。
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小説より奇なり 2001/05/27
投稿者 井塚章文 埼玉県三郷市
最後までプリオンが本当にあるのか、それともなにかの間違いなのかわからなかっ
た。しかし読み物としては、とても面白い。特に主人公のガイデュシェック博士はイ
ンディ・ジョーンズが実在したかのような凄い人である。
最近どうも広い意味で医学関係の本を読むことが多い。この本は「狂牛病」をはじめ
とする多くの病気に共通する原因物質(病原体といっていいのかまだはっきりしない)
プリオン発見の物語である。
ガイデュシェック博士(ノーベル賞受賞者)という映画に出てきそうな魅力的な主人
公がニューギニアで食人の習慣から移る病気クールーを知ったことから現代の食人で
ある肉食および家畜の死体の完全な利用により広まる死病の恐怖。面白いといっては
不謹慎だが。
プリオンはまだわからないことが多く遺伝子を持たないのに増える病原体といわれ
ているが氷の結晶が成長するのと同じ増え方ではないかなどわれわれの常識に反する
事であり、にわかには信じがたい。しかし科学技術の発達は常人の理解を超えており、
生命の神秘もまた同じである。 章立てが良い。小説を読むように楽しめた科学ノ
ンフィクションである。
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