投稿者 ★阿修羅♪ 日時 2001 年 9 月 27 日 18:30:50:
最初の検査で陰性結果 脳組織採取方法が不適切で
----------------------------------------------
日本で初めて狂牛病(牛海綿状脳症)と確認された千葉県白井市の牛について、最
初に行われた検査で「狂牛病ではない」(陰性)との結果が出たのは、検査する脳組
織の採取方法が不適切だったため、病原の異常プリオンが集中する部分から外れたこ
とが原因である疑いが強いことが26日分かった。検査した農水省管轄の独立行政法
人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)と、検査用試薬などを輸入したロシュ・ダイ
アグノスティックス社(東京都港区)との間で同日行われた話し合いで判明した。
この検査は「プリオニクス・テスト」と呼ばれるもので、牛の脳の一部を取って異
常プリオンの有無を検査する。欧州連合(EU)が1300頭の牛をこの方法で検査
したが、結果はすべて正確で精度は高いと評価されている。しかし今回の牛は、同テ
ストでは陰性だった。その後に行われた脳組織の顕微鏡検査など他の3回の検査はい
ずれも陽性で、なぜ食い違いが生じたかが謎だった。
このためロ社と動衛研の担当者らが26日に話し合い、動衛研側が脳組織の採取方
法を説明した。異常プリオンは脳の延髄の「かんぬき部」(重さ約1・5グラム)に
集中しており、ロ社のマニュアルではこの部分を採取して検査するよう規定。しかし
動衛研はかんぬき部の周辺を検査し、かんぬき部はホルマリンに漬けて顕微鏡検査に
回していた。ホルマリンに漬けると同テストはできない。
ロ社は「周辺の検査では、狂牛病の牛でも異常プリオンが検出できない場合がある。
今回の陰性はこれが原因の可能性が高い」としている。
動衛研の浜岡隆文・研究交流科長は「かんぬき部を、最重要と考えた顕微鏡検査で
調べるため、次善の策として周辺部をテストしたが、ロ社指定の組織採取法と異なる
と指摘を受けた。周辺部だと見逃しの可能性が高いかどうかはデータがなかった」と
話している。
農水省の「牛海綿状脳症(狂牛病)に関する技術検討会」座長の小野寺節・東大教
授は、今月11日の記者会見で、「プリオニクス・テストはマニュアルに従って実施
された。陰性の原因として人的ミスは考えにくい」と話していた。
動衛研がプリオニクス・テストを導入したのは今年4月で、農水省と動衛研は全国
の家畜保健衛生所に、食肉処理場で狂牛病が疑われる牛を発見した場合、同テストを
行うために脳のかんぬき部の周辺を動衛研に送るよう指示していた。今回の牛の脳は、
この指示に従って千葉県東部家畜保健衛生所(同県東金市)が採取した。 【高木昭
午】
[毎日新聞9月27日]
このページの感想 |