投稿者 えーてる 日時 2001 年 11 月 21 日 12:00:29:
狂牛病(牛海綿状脳症)の感染の有無を調べる厚生労働省の食肉用牛の全頭検査で21日、北海道の食肉処理場で解体処理された牛が2次検査のウエスタンブロット法検査で陽性と判定された。午後に行われる厚労省の専門家会議(座長・品川森一帯広畜産大教授)でも「クロ」と判定される見通しで、国内2頭目の感染牛となる。
厚労省によると、この牛は5歳(生後67カ月)のメスの乳牛で、北海道留萌保健所天塩(てしお)支所管内で飼育されていた。19日の1次検査で陽性反応を示したため、脳組織の検体を帯広畜産大に送り、2次検査を行っていた。
10月18日に始まった全頭検査は、食肉処理に回された牛すべてを対象に実施している。今月20日午後6時までに検査した8万7872頭はすべて陰性で、神経症状が見られない牛の感染が分かったのは初めて。これまで食肉処理されたのは、ほとんどが生後30カ月前後の若い牛だったが、今回の牛は肉骨粉の牛への使用が行政指導で禁止された96年当時に生まれた高齢の牛だった。
千葉県で発見された1頭目の感染牛は感染が確認される前に肉骨粉に処理されたが、全頭検査では牛の特定危険部位(脳、せき髄、目、回腸遠位部)を除去・焼却したうえ、肉や内臓も感染が否定されるまで食肉処理場内へ留め置くことになっている。このため、今回の牛の肉や臓器が出荷されることはない。
しかし、1頭目の牛が感染源とみられる肉骨粉をどこで食べたかなど、感染ルートの調査は進んでいない。新たに感染牛が見つかったことで、改めて感染ルートの解明が急務となるとともに、国産牛に狂牛病への感染が広まっている恐れが強まり、国の安全対策の遅れが改めて問われることになる。 【長尾真輔】(毎日新聞)
[11月21日11時51分更新]
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