投稿者 付箋 日時 2001 年 11 月 18 日 01:39:38:
「まだ油断できない」 狂牛病検査から1カ月 [共同] 2001/11/17
狂牛病の全頭検査がスタートして十八日で一カ月。食肉処理された七万頭以上を調べた結果、新たな狂牛病は見つからず、牛肉離れの騒動も収まりつつある。しかし、これまで市場に出た牛は発病の可能性が低い若い牛が多いため、厚生労働省は「まだまだ油断できない」としている。牧場で死んだ牛の検査は一部にとどまっており、消費者団体は「国の対応はまた後手だ」と不信感を強めている。
東京都中央卸売市場食肉市場では今月初め、和牛の価格はほぼ昨年並みに戻った。その後、出荷頭数が増えてやや下げたが、関係者は「消費者の安心感が戻りつつある」とみており、仲卸業者の一人も「悪いなりにも良くなっている感じだ。売り上げはまだ前年比で六、七割減だが、先月からは二倍になった」と話す。
厚労省によると、十一月十日までの集計では、検査された牛の五割強は狂牛病発病の可能性が低い生後三十カ月未満だった。通常は二割程度で、若い牛の比重が大幅に増えている。
全体の出荷頭数が減っている中、出荷を急がないと値が下がる若い牛から優先出荷しているのが理由とみられる。風評被害を恐れて高齢の乳牛の出荷を控えているとの指摘もある。「第二の狂牛病を地元から出したくない」(自治体担当者)との本音は産地では少なくない。
高齢牛の受け入れを渋る処理場もあるという。関係者は「何となく出荷しにくい雰囲気があり、様子見しているケースが多い」とみている。
食肉処理場より狂牛病の発見率が高いとされる牧場で死んだ牛は、神経症状がない場合は抽出検査となっている。農水省は年間十六万頭がけがや病気で死ぬと推計、約四千五百頭を抽出する計画だ。国会で質問を受けて武部勤農相が全頭検査を検討する考えを示したが、具体的には決まっていない。
日本消費者連盟の水原博子事務局長は「感染牛が知らぬ間に処理される疑惑が残る。早く全頭検査をすべきだ。感染牛を早く発見して感染ルートを絞るべきなのに、国は逆に発見を遅らせようとしているのではないか」と批判している。
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