投稿者 付箋 日時 2001 年 11 月 02 日 22:11:13:
以下の朝日新聞の記事の厚労省のコメントは嘘だった。
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未発生国の牛原料の化粧品、在庫売ってよい 厚労省転換 asahi.com 2001/10/29
米国、豪州、インドなど狂牛病が発生していない国の牛が原料なら、その成分でつくった化粧品の在庫分だけは売ってもよい−−医薬品・化粧品の狂牛病対策に厳しい姿勢をとっていた厚生労働省が29日、こんな結論をまとめた。脳やせき髄などを使った製品すべてを「回収指導」とした今月上旬の方針から一転、「販売容認」となったのは約3060品目。「肌に塗るだけなら問題はない」と判断した。
対象は、保湿剤などに使われる胎盤(プラセンタ)エキスやヒアルロン酸など。ヒアルロン酸は培養する時の栄養源・培地として脳を使うが、製造工程で100億分の1以下に薄められるという。プラセンタも成分が100倍以上薄まり、肌に塗るだけでは、感染の危険性は低いとした。
ただし、新たな製造は今後も認めない。各企業は厚労省の指導で昨年暮れから今春までに、原料を豚などに切り替える対応をとっており、今回の「容認」はあくまで在庫分に限った措置だ。
また、同じような成分でも、英国など狂牛病が多数発生している欧州産の牛が原料の約830品目は、引き続き回収を指導する。牛の腸からつくった手術用糸など44品目は、体内に直接入るため危険性が高い、と素早い回収を求め、すでに全品目の回収を終えた。
厚労省は「早く回収すべきものと、そうでないものをめりはりをつけた」と話している。
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「Newton」2001年12月号
『日本を震撼させる狂牛病』より
・・・前略・・・
医薬品や化粧品などにも、ウシ由来の原料が使われてきた。たとえば、美白用の化粧品ではウシの胎盤エキスが使われていた。異常型プリオン・タンパクは皮膚から感染することもある。特に皮膚に傷がある場合は、その可能性が高いので注意が必要だ。ただし、各メーカーは安全性に配慮し、ほかの原料を使用するなどの対策をとっているようだ。
どれだけ危険かはまだわからない
すでに狂牛病が発生している国からの牛肉の輸入は中止されており、ウシ由来など危険性の高い原料を医薬品や化粧品に利用することも禁止されている。ヨーロッパ諸国からの肉骨粉の輸入も禁止されている。肉骨粉は、ウシだけでなく、ブタやニワトリにも使えなくなる。したがって、今後はかなりのレベルで食品や製品の安全性が保たれるだろう。だが、いちばんの問題は「日本がこれまでにどれだけ狂牛病に汚染されているか」なのだ。
表面にあらわれていないだけで、深刻な事態が進行しているかもしれない。その実態をつかむためには広範囲の調査が必要である。しかし現在のところ、狂牛病に感染しているかどうかを調べるには、ウシを殺して脳を調べるしか手立てはない。実際には、これはたいへんなことだ。殺さずに血液検査だけで判定する方法も開発中だが、こうした簡便で高感度な検査方法が登場するには、あと数年はかかりそうである。
潜伏期間がすぎ、感染牛がこれからも出てくるかもしれない。そうなると、次に心配なのは、日本でも変異型ヤコブ病患者が発生するかもしれないということである。イギリスでの狂牛病発生の経緯と、変異型ヤコブ病患者の推移をみればわかるとおり、狂牛病の流行は終息に向かっているものの、変異型ヤコブ病患者はこれからも出てくる気配だ。「イギリスでもまだふえている段階ですね。大きな流れでみると、右肩上がりの状態ですから。あと20年くらいみないと、全体像がつかめないと思います。潜伏期間がどのくらいかも、その時はじめてわかるでしょう」と小野寺教授。狂牛病のこわさは、その全体像がまだみえていないところにある。1頭の感染牛の背後に、どれだけの危険がひそんでいるかが、わからないのだ。
効果的な施策を、迷うことなく迅速に実施することが肝心である。小野寺教授はいう。「フランスあたりは、いざとなったときの防災体制がしっかりしています。狂牛病の対策が委員会で一本化されており、5000人くらいの專門家がいます。さらに、実際に狂牛病を診断できる獣医が5000人くらいいます。合計1万人くらいが、いざというときの危機管理を行うため待機しているのです」。
セイファー助教授の言葉は教訓的である。「狂牛病がでた国では、文化に関係なく、どこでも同じような反応をすものですね。一般市氏はパニック状態で恐怖を感じる。そして政府は『まだ1頭だけだし、できるだけのことはするので安心してほしい』と国民に訴えるのですが、その多くは政治的発言です。イギリスでも、スイス、フランス、ドイツでも同じ状況でした」
過剰に反応するのも、危険性をかくしたり、無視するのも、正しい方法ではない。危険から身を守るために必要なのは、事実を正確に知ることである。
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