行政の怠慢と無責任〜危険水域に追い込まれた食品産業(PAXNET)




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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 15 日 21:27:58:

米国テロをめぐる動きに目を奪われている間に、狂牛病の取り扱いに対するわが国の杜撰(ずさん)な行政対応によって、食品や外食、弁当産業が構造変動につながり兼ねない差し迫った事態に追いこまれようとしている。欧州の経験がまったく行政に生かされていないばかりか、“防疫体制”がゼロに等しかったことは大臣の辞任ぐらいでは済まない重大な問題を孕(はら)んでいる、といえよう。当のイギリスはもちろんのこと、フランスやドイツ、スペインなどでは、すでに3つ星以上のレストランから牛肉料理が消えているほか、名物のソーセージからも牛肉が追放されていることを見れば、その影響は計り知れないほど大きなものであることが分かる。
安全でもないのに「安全宣言」を出したりする姑息(こそく)な対応で乗りきれるほど、狂牛病は簡単なものでないことは欧州の経験で明らかである。牛肉パニックの最終段階である人への感染、狂牛病患者第1号が公表されるまでもしかするとそう時間はかからないかもしれない。食品産業は、もはや後戻りできない構造変動に向かって一歩を踏み出した、といえる。当面、より安全な魚や鶏肉、豚肉ヘのシフトは避けられない。加ト吉<2873>、はごろもフーズ<2831>、永谷園<2899>、ローマイヤ(旧エルエムフーズ)<2893>、シノブフーズ<2903>といったところが、今後、ジワリと反応してこよう。

●考えられるいくつものパニック

わが国第1号の狂牛病の発生で始まった今回の騒動は、今月18日から出荷されるすべての牛について実施されることになっていた事前検査で見つかったことから始まる。
1頭の牛の擬陽性タイプの検査結果に行政や総理大臣、消費者までを巻き込んでの狼狽(ろうばい)で、第2ラウンドに入った、といえよう。今後、検査によって続々と狂牛病の牛の発見が相次ぐことが予想されているほか、最悪の場合、人への感染第1号の公表と続くことも考えられ、そのたびに何段階ものパニックを経験しなければなるまい。
短期的にみると食肉の消費はリスクのより少ない輸入牛肉や豚肉、鶏肉へ流れるのだろう。しかし、心理的なわだかまりは、ラウンドを重ねるごとに次第に高まり牛肉の消費の減少につながっていく。特に小さな子供を抱える家庭や学校給食などでの牛肉消費の回復は当面望み薄。また、肉ばかりかデザートのプリンや牛乳、チーズなどにも使用を控える動きもあるだけに、食生活ヘの影響は必至である。

●信頼回復はいつ?〜重い十字架を背負ってしまった食品産業

また、牛肉の消費後退にととどまらず、肉食そのものへの“疑惑”が広がることも予想される。それは、必ずしもプリオン病に限ったものではなく、家畜の餌や薬品を含めた「健康状態」にまで波及して行くことになろう。養殖魚や一部の食肉で問題となっている抗生物質やホルモン剤などの使用ヘの追求は強まることが予想される。
狂牛病の背景にある、「牧畜」から大きくかけ離れてしまっている現代の「食肉産業」そのものへの痛烈な批判が巻き起こる可能性さえ否定できない。O―157問題のように貝割大根を食べて安全宣言したときと同じ程度だろう、と今回の問題を甘く見ていたら、消費者からの大きなしっぺ返しを受けることになろう。1度失われた安全ヘの信頼を取り戻すことは不可能に近いことを知るべきだ。行政の怠慢と無責任が、食品産業を後もどりできない危険水域向けて追いこんだといえまいか。
○URL
・加ト吉
http://www.katokichi.co.jp/
・はごろもフーズ
http://www.hagoromofoods.co.jp/
・永谷園
http://www.nagatanien.co.jp/
・ローマイヤ
http://www.lohmeyer.co.jp/
・シノブフーズ
http://www.shinobufoods.co.jp/
[伴有亮太郎 2001/10/15 11:30]

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