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(回答先: 信用とは何か? 投稿者 楽観派 日時 2002 年 6 月 01 日 21:58:30)
アメリカ社会においては現金払いよりVISAなどのカード払いのほうが歓迎されるのは、カード発行会社がそのように仕向けてきた結果です。
カード会社がカード支払い(保有)を促進するインセンティブを展開し、受け取る企業も、カードを拒否すれば売り上げが減少するリスクに追い込まれながらも、カード支払いを前提にした価格やシステムを設定しているからです。
金融資本と無関係だったり、カード手数料を価格に上乗せできない経済主体は、現金支払いを歓迎するはずです。カード手数料も取られず、その場で現金が手に入る現金支払いを歓迎するのが経済論理です。
カード拒否による売上減との見合いで、カード支払いを認めているというのがある範囲の経済主体の本音だと思っています。
消費者にしてもカード手数料分を値引きしてもらったほうが得なのですが、カード発行会社は、そのような“カード逃れ”を防ぐために、カード支払い者と現金支払い者を“差別”することを禁じています。それならば、マイルが付くとかのインセンティブもあり、現金を持ち歩かなくてもいいカードをできるだけ使うことになります。
(ホテルのようにチェックアウト時の精算であれば、逃げられないことでカードを歓迎すると思いますが...)
何の違いもないように見える「プラスチックマネーと真のマネー」が、実は「プラスチックマネーは真のマネーに裏付けされたものでしかない」ものですから、経済波乱要因になります。
その意味でクレジットカード残高は「信用創造」ですから、貸し出し残高と同じように要ウォッチの対象です。
>ところで現在アメリカのクレジットカード残高は10兆円を超えていると認識してい
>ますが、これはバブルだと考えます。つまりアメリカで職が減り、賃金が下がってい
>るにもかかわらず人々が現在もカードを使い消費を続けバブルを膨らませているわけ
>です。ところがVISAなどの株が売られているかというとそうでもないようです。
>ここらあたりの経済的整合性についてはどうお考えでしょう?
カード発行会社は、事故(焦げ付き)率を見積もりながら、カード利用を促進しています。5%が焦げ付くと予想すれば、7%の手数料を加盟店から徴収し、10%が焦げ付くとしたら12%を徴収するでしょう。
手数料を負担するのは、加盟店と消費者です。競争力がある加盟店は、価格に上乗せし、消費者に負担させます。競争力がない加盟店は、ある割合を自己負担(利益減少)することになります。
VISAなどカード発行会社は、事故率の見積もりに失敗しない限り、損をしないのです。
しかし、カード手数料の上昇は、物価上昇につながったり、加盟店の利益減少につながりますから、国民経済全体は悪化していきます。
不況期であれば、物価上昇(価格上乗せ)は一部の加盟店に限られますので、そうでない加盟店の利益がより減少することになります。(競争力のある加盟店に可処分所得が取られることになるので、その分他の加盟店は利益率が減少するのみならず、売上・利益も減少します)
カード発行会社はとりあえず安泰ですが、国民経済が悪化していけばカード利用総額が減少するので利益を減少させることになります。
国際金融資本は、利益拡大を徹底的に追及すると同時に損失負担を徹底的に防ごうとするものです。(長期にみれば、むなしい行為ですが...)
そして、統治者は、国際金融資本のそのような行動を庇護するものなのです。