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Re: 近代経済システムは根源的に供給力過剰 (不調なので再書き込み) 投稿者 あっしら 日時 2002 年 5 月 17 日 22:43:21:

(回答先: Re: レス3:アウトプット・ギャップはどれくらい? 投稿者 PBS 日時 2002 年 5 月 16 日 22:13:23)

PBSさん、こんにちわ。

近代経済システムは根源的に生産力過剰を基礎としたものですから、アウトプット・ギャップ問題を論じるのは困難です。(根源的生産力過剰については機会があれば書き込みしたいと思っています)

これは、近代経済システムが慢性的な供給力過剰状態にあることを示唆し、不況の原因を需要不足とすることができないことを意味します。

ある国民経済については、貿易収支でアウトプット・ギャップを推し量ることができると考えています。
貿易収支が黒字であれば潜在的な意味で供給力過剰、貿易収支が赤字であれば競争論理的な意味で供給力不足という識別です。

潜在的な意味の供給力過剰とは、その国民経済の競争条件が変わると供給力過剰が現出する可能性があるということです。
競争論理的な意味の供給力不足とは、その国民経済は総体的な競争力で劣っているために国内需要に見合う生産ができていないという意味です。


日本経済が供給力削減の方向に進む一方で、中国をはじめとする外国経済との関係で競争力が劣化していくと予測できることから、そう遠くない将来に競争論理的な意味での供給力不足に陥り、これからさらに貯まっていくことになる“裏付けのない”貨幣というマグマ=需要が噴出することでハイパーインフレにつながっていくと予測しています。


80年代から競争論理的に供給力不足になった米国経済でハイパーインフレが起きなかったのは、“裏付けのない”貨幣による需要創造がなかったからです。
米国経済は、日本をはじめとする諸外国からの裏付けがあり国債基軸通貨である貨幣であるドルを還流させることで、供給力不足を輸入で補ってきました。

マイナー国際通貨でしかない円を通貨としている日本は、米国と同じ手法をとることはできません。


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