11匹の巨大恐竜達、巨額不良債権企業とその支援銀行群が路頭に迷っている。その昔、地球が温暖でエサが豊富であった頃、巨大化の進化の道を進んだ結果、彼らの体は大きくなり過ぎた。そして、我が物顔で大地を支配し、小動物であるモルモットなどの先祖は彼らの巨体を見上げ逃げ惑った。小さな小動物(零細企業、個人商店、大工職人)は恐竜達が味わったエサの残り物を糧に生きていた。巨大恐竜達の繁栄は永久に続くのかと思われた。彼らの支配は長く、統治は過酷であった。資金繰りと高金利の負担にあえぎ、小さな住処を手にいれてもその返済に終われ、十分な老後資金も残せなかった。力のないものに対する容赦のない収奪のシステム。巨大な力の前に、小動物は蹴散らされ影にひそんだ。今日の大都市、その近郊に商店街の残骸を多く目にすることができる。まったく寂れた状態でここ1匹、あそこに1匹と探し出すことができる。巨大な資本の論理によって片隅に追いやられてきた彼ら小動物達。その忍耐も限界かと思われた。しかし、救いの福音が近づいて、報われようとしていた。ある日、天空に突如現れた巨大彗星、それは刻々と地球への軌道を高速で進んできた。やがて、古代のメキシコの大地に彗星は激突した。水爆2000万発分の巨大爆発、一瞬にして多くの恐竜達が倒れていく、その巨大さゆえに身を隠す場もなく。生き残った恐竜も、気候の激変による生態系の変化から逃れられなっかた。エサがなくなり、もはや彼らは餓死するほかはなかったのである。
今日の日本国においては、巨大恐竜にとっての彗星の激突は、バブルの崩壊とその後10年にわたる経済及び政治的混乱に相当するであろう。もはや彗星は激突した、やがて生態系が変わろうとしている。恐竜達の居場所はなくなるのであろう。新しい進化のサイクルが始まる。次の時代を担うであろう小動物たちの大進化を祝福して、古代の恐竜達は優しく微笑んでいる。俺達の絶滅を無駄にしないでくれと。今日、我々は彼らの残してくれた遺産、原油を使わせて戴いている。感謝!