投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 10 日 13:19:32:
人間で起きる突然変異の割合は、男性のほうが女性よりも一・七倍多い――。米マサチューセッツ工科大学の研究チームが明らかにしたもので、突然変異がもたらす進化の歴史の解明につながる研究として注目を集めそうだ。十日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
進化は、精子や卵子が分裂する際に起こる遺伝子の複製ミスが原因とされている。この複製ミスが起こると、親から子へと伝わる遺伝子が変化し、生物の姿や行動に突然変異が現れる。
ただ、生殖年齢に達してから作られ続ける精子と、胎児の段階で作り終えている卵子では、分裂回数が大幅に違うため、進化の原動力は精子での分裂と考えられてきた。
遺伝子は人間では二十三対の染色体の上にのっているが、性を決めている性染色体は、男がXとY、女がX二本をそれぞれ持っている。このため、Y染色体とX染色体の突然変異の蓄積の差を調べれば、男女の進化速度の違いを割り出すことができる。
同大学の研究チームは、人間のXとYの特定の部分を調べ、遺伝情報を記載している「塩基」といわれる化学物質三万八千六百個を比べたところ、男の突然変異が女の一・七倍あり、進化につながりやすいことを突き止めた。これまで、男女の進化速度の差は三〜六倍とする研究はあったが、今回の結果はこの差を下方修正する結果だ。