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投稿者 記事転載 日時 2000 年 9 月 09 日 23:36:52:
産業春秋
「腐ったリンゴが樽（たる）の中にあれば返すのが当たり前でしょう」−。日本債券信用銀行を譲渡されたソフトバンクの孫正義社長の瑕疵（かし）担保特約に対する反論は単純化されており、一般受けはする▼しかし、この特約は金融史上、例を見ない不平等性が問題だ。メーンバンクは融資先企業の健全化を前提に生きている担保の不良化は極力避けたいところだ。だが、特約があれば事は１８０度違ってくる。灰色の資産が不良資産になっても痛くもかゆくもない▼政府が税金でカバーしてくれる。メーンバンクとしての経営努力は無用だ。むしろ腐りかけたリンゴ（資産）が早く腐った方が妙味あるのだから始末が悪い。企業はリンゴとは違う。腐ってもタイのところがある。仮に倒産して市場価値がゼロに近づいても経営手腕次第で再生可能だ▼言ってみれば株の空売りとＭ＆Ａをプラスしたインセンティブが働く。これほどうま味のあるビジネス手法はめったにお目にかかれない。禿鷹（はげたか）ファンドならではの阿漕（あこぎ）なビジネスではないか。インディアンから先祖伝来の土地を奪い取ったケースを想起させる▼日本人もばかばかりではない。若手官僚の中には特約に反対した者がいたが、政治家や高級官僚は相手側の要求に目をつぶった節が濃い。孫氏は、「そんなにうまい話なら日本企業から手が上がったはずだ」とも反論、あたかも救世主であるかのような顔をした。国民のソンをてこに、もうけるくせに。
[日刊工業新聞 9/7]
◇素人のコメント◇
救世主が禿鷹だって？
救世主は、望み通り充分に暴落した不良資産を、政府に国民の税金ですり替えてもらう。
救世主が仲間を呼び寄せて、その「腐った」税金の山を丁重に鳥葬すると？
結局、不良資産の所有権はタダ同然で仲間内へと再還流することに…
さすが、「ＩＴ革命」の恩恵を先鳥の、
ＩＴ戦略会議メンバーらしい救世主の知恵ではないでしょうか。
現時点でどうしても理解できない、テレ朝でも報じられたそのほかの点は、
ディバティブ契約までもが特約対象として引き継がれている、という点です。
いったいその中身はどんなになってるの？どうして解除できないの？
これを読んでるおたくさん、知ってらっしゃいますか？
もしハイリスク型が多いと、国民負担分が大変な事になるだろうよ。
彼ら仲間内で、間接的でボロい所得移転が実現するよ。
連中は、市況の大暴落を熱望するか仕掛ける。これぞ知的労働という。
これらは、一時「金融監査部門の大蔵省からの独立」を声高に主張していた某野党の方針にも沿ったというのに、
あらゆる政党の立場を越えて、何の抑止力にもならなかったではないか。
「資産の透明化、公開原則、民主主義」の美名は、
見事に裏切られたということか。
これらのいきさつで何度も持ち出された表現、
「金融システムの混乱回避」とは、
投資先企業経営そのものの「再建」「軟着陸」というよりは、
単なる所有権の移転現象を表し、
「公的(国民)負担を最小にする」という文言は、
目の前のごく一時的な場面だけを論じているに過ぎず、
その文言自体が事実上ウソだったことにはならないか。
これでは日本全体の金融システム死守の利益を論じているようでいて、
実は癒着か背任には類しないのか？責任はどこへ散った？
ＮＨＫ等では、長銀やこっちの件で国民の注目を集めた鳥葬ファンドのことを、
「資産を『良く』して、ほかに転売する」
なんて感じの説明を聞いたような気がしたのですが、
鳥葬ファンドが２次評価損による国の特約履行を期待する単純な経営姿勢というのでは、その説明は、事実と異なるではないか？
国民負担に際して、最初から理論的に国側が損失を被るしかない選択肢を進んで決めたことになるのだから、
「国民負担分は必ずしも借金でなく、今後いくらか返ってくることが期待される」
調の言い方も、最初からウソ、という事だろうか。
日本を取り巻く狡猾な国際資本の論理を見事に見せつけられたようだ。
それでも、民主主義のレベルを超えてしまっているので、
民主主義で飼い慣らされた多くの民衆は理解できないようだ。
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