投稿者 倉田佳典 日時 2000 年 9 月 06 日 19:07:33:
金子共産党副委員長の二男が痛烈党批判
『現代』に「さらば日本共産党…」手記
共産党の最高幹部の1人である金子満広副委員長=写真=の二男、広実氏が、講談社発行の雑誌「現代」最新10月号で、「さらば日本共産党、そして親父へ」と題した手記を寄せて共産党の体質を痛烈に批判、党内が大騒動になっている。
広実氏は大学1年生の時に共産党に入党し、以来、18年間の党員生活を送っていたが、かつて勤務していた首都圏の医療生協から党に対して、広実氏の生活態度に関する投書が寄せられ、これをめぐるいざこざから、今夏離党した。
広実氏は「僕がこの手記を発表することによって、今年の11月20日に行われる党大会で親父が副委員長の座を追われることも予想される」、「僕と親父との関係も、修復不能なものになるかもしれない」と、“悲壮な覚悟”を宣言し、党の体質を糾弾している。
今年6月の総選挙で、共産党が大敗したことについては、「志位(和夫)書記局長のように大学時代から活動に専念してきた実社会経験ゼロの純粋培養候補者がズラリと並んでいる。社会生活上の苦労や職場の人間関係を知らずに机上の理想論を並べ立てる候補者が、選挙民から支持を受けるはずはない」と核心を突いた批判を展開。
このほか、「党は、大企業の労働条件には厳しく目を光らせ、苛烈なサービス残業などには口角泡をとばして攻撃する。ところが、党の友好団体の労働条件にはまったく目をつぶったままだ。党の周辺や支持団体の職員などが『過労死』したケースも僕は見てきた」などと、党の独善的な体質を“告発”している。
注目されるのが、共産党側の対応。金子副委員長は、衆院議員を6期つとめ、今年6月の総選挙を機会に引退したが、現在も党の副委員長。戦前にスパイ査問事件を引き起こし、獄中12年の生活を送ったことが“権威”となり、約40年にわたって「独裁者」として党内を蹂躙(じゅうりん)した宮本顕治名誉議長の引き立てを受け、出世街道をひた走った経歴を持つ。
今回のようなケースの場合、宮本時代なら、金子副委員長は一発で更迭になりかねないところだが、「ソフト路線」を売り物にする不破哲三委員長の体制のもとでは、どう対応するか関心を呼んでいる。
夕刊フジの取材に対し、共産党広報部では「金子副委員長に連絡がつかない」と話している。