米ヘッジファンド、日本にも本格参入?zakzak

 ★阿修羅♪

[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ ★阿修羅♪ Ψ空耳の丘Ψ9 ]

投稿者 倉田佳典 日時 2000 年 9 月 06 日 19:05:43:

米ヘッジファンド、日本にも本格参入?

 世界の金融市場の暴れん坊だった投資集団ヘッジファンドが、日本での活動を再び活発化しはじめている。かの有名なジョージ・ソロス氏=写真=率いる世界最大のヘッジファンドが日本拠点を拡充したり、大手ヘッジファンドの運用担当者が独立、日本で活動を始めているというのだ。全体の資産総額が30兆円を超えるとされる投資集団のターゲットはいったい何なのか。98年のロシア通貨危機で大打撃を受け、しばらく鳴りを潜めていただけに、その再起動が注目されている。
 ヘッジファンドとは、富裕層などから集めた巨額資金を世界の株式、為替、債券などに投資する投資信託の一種。“ヘッジファンドの帝王”ソロス氏が率いる「ソロス・ファンド・マネジメント」が有名で、世界には4000社ほどがあるとされる。
 「私募形式のヘッジファンドは、100人以内の投資家から資金を募ることになっており、投資額は最低でも100万ドル(約1億円)。顧客は、資産にかなり余裕がある富裕層のほか、年金資金などがある。ヒラリー米大統領夫人がヘッジファンドに投資、資産を増やしたと報道されたこともあった」(在米の金融ジャーナリスト)
 こうして集められた資金は、どのように運用されるのか。
 「まず集めた資金で、リスクが低く、担保価値の高い国債を購入。その国債を担保に金融機関から融資を受け、また国債を買う。それを担保にさらに融資を受けるという手順を繰り返す。こうして何十倍にも膨らんだ巨額資金を、独自の投資理論に基づきハイリスク・ハイリターンのデリバティブ(金融派生商品)などにつぎ込んでいく」(証券系アナリスト)
 巨大マネーの威力は強烈で、92年にはソロス氏のファンドが英国通貨のポンドを売り浴びせ、ほぼ1カ月の間にポンドは約4割も下落した。また、97年のアジア通貨危機では、ヘッジファンドがアジア諸国の通貨を売り浴びせ、各国政府を震撼(しんかん)させた。
 そのヘッジファンドも相場を見誤ると、破たんが待っている。98年のロシア通貨危機では、ロシアの短期国債に投資していたヘッジファンドが軒並み大損をしてしまい、米大手のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)は数カ月で40億ドル(約4200億円)もの評価損を出し、破たんした。
 ロシア通貨危機以来、鳴りを潜めていたヘッジファンドだが、驚くことに最近、「日本での活動を広げている」(投信幹部)というのだ。
 今年7月には、ソロス氏の日本拠点が東京・永田町の新高層ビル「山王パークタワー」に移転すると同時に、陣容も拡大。
 「新拠点では、これまでのヘッジファンド運用部隊に加え、企業買収などを担当する部隊が新たに配置された。さらに、同じビルには、国内屈指のトレーダー(藤巻健史・元モルガン銀行東京支店長)のオフィスがあり、日本市場について投資アドバイスを受ける契約も結んでいる」(外資系証券幹部)という。
 藤巻氏は平成10年にかけての債券高・円安をみごと的中させ、国内外で注目を集めた人物。その藤巻氏を投資アドバイザーに迎えたことは、日本の金融市場に力を入れていくことの表れとみられている。
 このほか、「昨年あたりから、米国の大手ヘッジファンドの運用担当者が独立して、日本でヘッジファンドを立ち上げたり、米大手ヘッジファンド『チューダー・キャピタル』が日本に運用部門を新設している」(同)といい、日本に対する関心が強まっている感じなのだ。
 こうした動きをどうみればいいのか。外資系証券の運用担当者は、こう指摘する。
 「世界の金融市場を見回したとき、もっとも妙味があるのが日本ということでしょう。たとえば米国株式市場はこれ以上大きく上がることは考え辛い。欧州では、ユーロがヨレヨレの状態。必然的に、割安感が漂う日本の金融市場に目がいくことになる。米大手の運用担当者が独立、日本株専門のヘッジファンドを立ち上げたという話もあるくらいです」
 ソロス氏が“企業買収部隊”を送り込んだことについては、「銀行再編に伴う株式の持ち合い解消売りなどによって時価総額が減り、買収しやすくなった日本企業を狙っているのでは。そうした企業を買収し、付加価値をつけて売り飛ばす。破たんした日本長期信用銀行(現新生銀行)を譲り受けたのも、米投資組合(リップルウッド)ですからね」とみる。
 今のところ、目立った動きがないヘッジファンドの日本部隊。気になる今後の動向について、元和光証券専務でヘッジファンドなどの動向に詳しい足立真一氏はこう指摘する。
 「ロシア通貨危機や今春の米ナスダック急落で痛い目をみたヘッジファンドは多様化し、投機一色という感じではない。ソロス氏のファンドも安定運用の方向にシフトしており、日本円などに猛烈なアタックをかけるような動きは出てこないだろう。ほかの外国人投資家と同じような動きをとるのではないか」
 とはいえ、運用実態の不透明さと神出鬼没ぶりから“妖怪”と呼ばれたヘッジファンドだけに、日本の市場関係者はその動向に注目している。




フォローアップ:



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。