投稿者 DC 日時 2000 年 9 月 05 日 02:59:38:
スギ花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の治療法を研究するため、科学技術庁は「免疫・アレルギー科学総合研
究センター」を新設する方針を固めた。センターは理化学研究所筑波研究所(茨城県つくば市)に設置し、25チーム、200人体制
で免疫の機構を解明する。5年後にはスギ花粉症などの治療薬の開発に着手する計画で、来年度予算の概算要求に36億円を
盛り込んだ。
アレルギー性疾患は、免疫反応が原因で起こる病気で、患者数1300万人と推定されるスギ花粉症のほか、アトピー性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎などがあり、患者数は国民の30%に達すると推定される。薬などで症状を和らげる対症療法はあるが、根
本的な治療法はなく、これらの症状が起こる仕組みもよく分かっていない。
同じ原因物質にさらされても激しい症状の出る人もいれば、症状の出ない人もおり、免疫反応には個人差が大きい。ヒトのゲノ
ム(全遺伝情報)の解読によって、こうした免疫反応の個人差を解明する足がかりができたため、科技庁では本格的なアレルギ
ー疾患の研究に着手することになった。
専任、併任合わせて200人の研究者を期限付きでセンターに採用する計画で、これとは別に民間の試験研究機関や大学にも
資金を提供し、遺伝子の個人差と免疫との関係などの研究を進める。 【高野 聡】
[毎日新聞9月2日] ( 2000-09-02-22:09 )