投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 9 月 01 日 23:55:53:
ユダヤ系として初の米副大統領候補(民主党)に指名されたジョゼフ・リーバーマン上院議員が、「選挙に宗教を持ち込みすぎる」と有力ユダヤ系団体から厳しい批判を受けている。
批判しているのは、反ユダヤ主義との闘争で知られる「反中傷連盟=ADL」で、今週初めリーバーマン議員が遊説先のキリスト教会で「我々は信仰を再確認し、神と神の目的への献身を新たにする必要がある」と述べたことなどを挙げ、「選挙戦の中で宗教を強調するのは不適当であるばかりか、宗教的に多様な社会の中では不安定要因にもなりうる」とする書簡をリーバーマン議員に送り、宗教的言動を自制するよう求めた。
リーバーマン議員は正統派ユダヤ教徒で、選挙戦中もユダヤ教で定められている金曜の日没から土曜の日没までの安息日には遊説を慎むなど戒律を厳格に守る一方、一般市民に向けた演説では信仰の大切さを積極的に訴えている。「反中傷連盟」の批判には「私は今やっていることを続ける。それがアメリカのやり方だからだ」と答え、これまでの主張を変えるつもりがないことを明言した。
今回の大統領選では、米社会の保守化も反映してか、共和党大統領候補、ジョージ・ブッシュ・テキサス州知事が「尊敬する哲学者はキリスト」と語るなど、宗教的発言が相次いでいる。
「反中傷連盟」がリーバーマン議員に自制を求めるのは、同議員の言動がかえって反ユダヤ主義の感情を呼び覚ましかねないとの懸念もあると見られる。同連盟は、ユダヤ教徒が米社会で少数派であることを踏まえ、「米憲法は政府が特定の宗教を支持したり、宗教を持つ者を無宗教者より支持したりすることを禁じている」とほかの候補者にも自制を求めている。一方、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストの両有力紙は社説で、「リーバーマン氏は(宗教的)寛容の境界線を越えた」(三十一日付ニューヨーク・タイムズ)などとそろってリーバーマン議員を批判した。