投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 8 月 31 日 23:41:36:
「実は、金融再生委員会は、われわれソフトバンク連合にこう強く要請してきたのです。『あなた方が引き継ぐことになっている、破たん先、実質破たん先、破たん懸念先といった形で区分される問題債権についても、日債銀の譲渡が完了しても、すぐには処理しないでいただきたい。つまり、向こう3年間は、融資残高の維持をしてもらいたいのです』とね。そして、われわれがこうした“要請”を受け入れることと引き換えに、“瑕疵担保特約”が譲渡条件に盛り込まれたのです」
ソフトバンク連合中枢幹部が、金融再生委員会との間で結ばれた“密約”について、こう暴露する。
それにしても、この“証言”の中身はあまりにも衝撃的だ、と言っていいだろう。それと言うのも、その事業譲渡にあたって本来なら整理回収機構(RCC)に売却されるべき、約1兆2000億円にものぼる日債銀の不良債権が、どのような交渉を経てソフトバンク連合に引き取られたかが、この“証言”によって初めて明らかにされたからだ。
これまで、そうした交渉のプロセスについては、ほとんどと言っていいくらいに明らかにされてこなかったのが実情だ。
しかも、新生銀行のケースでは、与党である自民党ですらあれだけ問題視することとなった“瑕疵担保特約”が、なぜ日債銀の場合にはスンナリ認められたのかという疑問も、この“証言”によって、すべて明らかにされた、と言っていいだろう。
「つまり、自民党としても、日債銀譲渡に関する“瑕疵担保特約”は認めざるを得なかったのです」(金融再生委員会幹部)
実際に、過去にも以下のような“証言”がある。
「本来なら“不適資産”に区分され、RCCに売却されるべき問題債権が、なぜ1兆2000億円も“適資産”に区分されたのかと言うと、政治の側から『あのゼネコンは倒産させるな、あの第三セクターはつぶすな』という強い要請があったからです」(金融再生委員会幹部)
そして、この幹部氏は、新たにこう付け加える。
「とは言っても、そうした問題債権を何の保証も付けないままソフトバンク連合に引き継がせようとしたとしても、彼らは拒否するだけでしょう。もっとも、引き当てを100%積めば話は別ですが、それは無理な話です。だとしたら、“瑕疵担保特約”をつけるしか方法はなかったのです」
つまり、金融再生委員会としては、自民党サイドから寄せられた“問題企業をツブすな”という無理な注文を聞き入れるために、“瑕疵担保特約”を活用したのである。
そして自民党サイドも、そうしたカラクリを知っているからこそ日債銀譲渡に際しての“瑕疵担保特約”は、ほとんど問題視しなかったのである。
そしてこのことは、特定の個別企業について、ある種の“政府保証”を付ける形で救済した、ということに他ならない。
「そのこと自体、まさに大問題です。しかも、そうした一連の“操作”は、金融再生委員会や金融庁がこれまで全面的に否定してきた“裁量行政”以外の何ものでもない。いずれにしても、日債銀は、経営者が代わっても“政界の貯金箱”であることに何ら変わりはない、と言えよう」(大手都銀役員)
まさに日債銀は、のろわれた銀行としか言いようがないのである。