投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 31 日 13:24:02:
日常会話などを理解するとき、男性は左脳だけを使うのに対し、女性は左右両方の脳を使っていることが、通産省工業技術院電子技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究グループの実験で明らかになった。右脳は時間的に離れた情報を結びつける働きがあるとされ、女性は男性よりも文章や会話の離れた部分を結びつける能力に優れている可能性があるという。この成果は、英国の脳科学専門誌「セレブラル・コルテクス」9月号に掲載される。
人間の脳で言語の内容を理解する機能は、左側頭葉の「ウェルニケ野」と呼ばれる部分にあると考えられてきた。しかし、左脳の同じ部分を同程度に損傷しても、女性では言語障害の程度が男性に比べて軽いことが分かり、男女間で言語を理解する部分に差があるのではないかという仮説が約30年前に提案された。
研究グループは、男性16人、女性14人を対象に40秒間、短いエッセーの朗読を聞かせ、病院で使われているMRI(磁気共鳴画像化装置)の2倍の強さの磁場を持つ最新のMRIを使って脳のどの部分が活動しているかを調べた。このMRIは、脳の活動している部分に流れ込む新鮮な血液を1ミリ以下の精度でとらえることができる。
その結果、男性はいずれもエッセーを理解する際に左脳だけが活動しているのに、女性は左右両方の脳がほぼ同じ強さで活動していることが分かった。
言語を理解する脳の活動については昨年、アメリカの研究グループが50人を対象にした実験で、動物の名前を表す単語を聞いたときの反応には男女差はないという結果を発表している。今回の実験は単語でなく、文章全体を理解する際の脳の活動に男女差があることを示した。
研究グループの北沢茂・同研究所主任研究官は「左脳が情報を分析的に処理するのに対し、右脳は時間的に離れた情報を結びつけて全体として処理すると言われる。女性は右脳を使うことで、男性より話の全体の内容を柔軟、かつ多面的に理解できるのかもしれない」と話している。 【清水 直樹】
[毎日新聞8月31日] ( 2000-08-31-01:21 )