投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 12 日 13:38:46:
インターネット情報検索最大手のヤフー(カリフォルニア州サンタクララ)のナチス関連のオークションのサイトをめぐる裁判で11日、フランスのジャン・ジャック・ゴメス判事は、この5月に下していた判断を覆し、フランスのユーザーが米国で運営されている問題サイトを閲覧することを防ぐ方法について、専門家に意見を求める考えをあきらかにした。
フランスの法律では人種差別を助長する物品の展示や売買は禁止されている。ヤフーのフランス語版サイトでは、ナチス関連商品の売買や掲載はされていない。しかし、ユーザーは、フランス語版サイトを通じて簡単に英語版サイトに入ることが可能。そこでは、オークションを通じて、ナチスの制服やバッジ、旗などが毎日、数百も売買されているという。
これに対し、パリに拠点を置く人権団体とユダヤ人学生の団体が今年4月、フランスの法律に違反しているとしてヤフーを提訴。国境のないインターネットの世界で、どのように法律が適用されるのか判断が注目されていた。
ゴメス判事は5月、ヤフーに対し、原告側に賠償金の支払いと、フランスのユーザーが問題のサイトへアクセスすることを防止する策を講じることを命令した。しかし、ゴメス判事はこの日、5月の命令実行を延期し、代わりにフランス人と米国人を含む3人の専門家に、フランスのユーザーが米国サイトへのアクセスを防ぐ方策について検討するよう要請。専門家たちは、11月6日の公聴会で方策について答申する。
また、原告側は、ヤフーに対し、1日最高36万ドル(約3800万円)の罰金を課すことを求めていたが、ゴメス判事はこの日、フランスから閲覧可能なままになっている問題のサイトについて、日々の追徴金は課さないことを決定した。
これまでヤフー側は、米国で運営されているサイトには、言論の自由が保障されている米国の法律が適用されており、フランスのユーザーの閲覧を防ぐのは不可能だと主張してきた。
今回の判事の判断について、ヤフー側の弁護士は、「筋は通っている」と一定の理解を示した。
ヤフーは現在、フランスの法律に従い、フランス語版サイトからは、ナチスに関する内容を含むサイトを撤去している。さらに、米国で運営されているサイトのいくつかに、フランスからのユーザーを対象に、閲覧することでフランスの法律に触れる恐れがあるとの警告文をフランス語で掲載している。