投稿者 gaattc 日時 2000 年 8 月 27 日 01:26:50:
原潜クルスクの沈没事故で傷ついた「軍事大国」の威信を回復しようと、ロシアのプーチン政権は、軍人らの待遇改善を手始めに国防予算の拡大に動き出した。乗組員の救出活動が難航し、外国に支援を仰ぐ結果になった背景には、軍の慢性的な財政難がある。予算案を審議する下院も軍事費増大のかけ声を強めており、原潜事故を契機に「軍事優先財政」へと進む可能性も出てきた。
プーチン大統領はクルスクの乗組員の遺族らと面会した直後の24日、クドリン副首相兼蔵相をクレムリンに呼び、2001年の政府予算案の内容説明を受けた。会談後、今年12月1日から軍人や警察官の給与を20%引き上げる大統領令に署名した。待遇を改善して士気を高める狙いだ。
政府予算案によると、予算総額1兆1935億ルーブル(約4兆8000億円)のうち国防費は2063億ルーブル(約8250億円)で、2000年予算に比べ約1.5倍増。国内総生産(GDP)に占める割合も2.39%から2.66%まで上がる見込みだ。
プーチン大統領は、軍人への給与アップなどを担保するため、クドリン副首相の示した案以上に国防費を増やすよう求めた。具体的な額は下院の審議で固まるが、「祖国―全ロシア」を率いるプリマコフ元首相は、「十分な国防費増加がなければ予算案を通さない」との緊急声明を出した。セレズニョフ下院議長も25日、「国防費の対GDP比を3%まで増やせる」と、原潜事故で傷ついた威信の回復を急ぐ姿勢をにじませた。(23:53)