投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 24 日 18:05:01:
【ニューヨーク23日=青木伸行】
国連平和維持活動(PKO)の機能強化策を検討してきた「国連平和活動委員会」は二十三日、アナン国連事務総長に報告書を提出した。緊急展開のために、事前に派遣要員を登録、確保することを勧告しているほか、任務を達成するうえからあくまで自衛の範囲内で武力行使権限の強化を強調しているのが特徴だ。九月六日−八日の国連ミレニアムサミットで論議される。
アルジェリアのブラヒミ元外相を委員長とする委員会の報告書はまず、平和維持と構築の分野において、「国連は過去十年にわたって直面する課題への対応に失敗し、今日でも改善されていない」として、PKOの機能を強化し、紛争防止と平和構築の戦略を描く必要性を強調している。
そのうえで武力行使に関しては、「強固な交戦規定による自衛の能力がなければならない」との表現で、具体的にどのような状況下で武器を使用できるかなどを定める交戦規定を強化し、相手方の攻撃に積極的に反撃するとしている。さらに、装備と要員の訓練の強化も不可欠だとした。
展開を迅速化する方策としては、停戦監視など伝統的なPKOでは国連安保理の派遣決議から三十日以内、「より複雑な活動」の場合は九十日以内に展開するとの目標を設定した。
そして、拠出可能な部隊(旅団規模)を確保し、兵員、文民警察要員各百人を「七日以内」に派遣できるようプールすることを提案している。
報告書はまた、安保理での派遣決議採択後に国連事務局側と加盟国とが具体的な派遣規模や部隊編成などを決定していく現行方式を改め、決議採択前に調整するよう勧告。予算面では、事務総長に五千万ドルを上限に支出権限を与えることを提案している。