投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 24 日 14:42:01:
子どもたちは、なぜ「キレる」のか。少年による事件が相次いでいることを受け、文部省の国立教育研究所(富岡賢治所長)と厚生省の国立公衆衛生院(小林秀資院長)は23日、「キレる」子どもたちの実態調査に入る方針を固めた。少年事件の事例を集めたり、親や教師から聞き取り調査をしたりして、子どもたちの成育環境や学校生活の様子を詳しく分析する。全国で400―500の事例分析を目指しており、親はどう子育てすればいいか、学校はどう対応すべきかを示せるよう、来年末までに報告書をまとめる。国が本格的な調査に取り組むのは初めてで、スタッフには医師も迎え、精神医学の観点からの分析も進める。
少年事件をめぐっては、高校生による近隣の一家殺傷や、金属バットを使った母親の殺人など、突然凶行に及ぶケースが相次いでいる。昨年度の公立校の校内暴力も、3万件を超えて過去最多となった。かつてのように非行グループが集団で暴力をふるうのではなく、ふだんはおとなしいと言われる生徒がふとしたきっかけで激高し、校舎や備品を壊すケースが目立つという。
現場の教員には、「子どもたちの心理や行動パターンが変質した」「どう対処していいかわからない」という声が上がっている。教育研究所は、幼少期からの子どもたちの背景を調べることで対処の糸口が見つかるのではないかと考え、公衆衛生院とともに初の調査に取り組むことにした。
今秋から始める調査では、まず警察や裁判所の協力のもとで、最近の少年事件の調書や少年審判の記録を調べ、成育環境や事件に至った心の動きを分析する。また、協力してくれる学校やPTA、児童相談所を募り、父母や教員たちから問題行動を起こしている子どもたちの事例を聞き取る。
とりわけ父母からは、「しつけや情操教育はどうしてきたか」「生活習慣や食生活はどうだったか」「ゲームやテレビが人格に影響を与えていないか」など、詳しくたずねるという。調査には国家公務員のスタッフだけが当たり、「プライバシーや個人情報の保護には最大限の注意をはらう」としている。
こうして集めた事例の分析には、小児科や精神科の医師、家裁の調査官、教員らも加わり、何が「キレる」性格をつくっていったかを詳しく分析する。来年末にまとめる報告書では、子どもの心のゆがみをどう察知し、手助けしていくべきかについて具体的な提言を盛り込む考えだ。
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